元台湾在住サラリーマンの徒然なる日々

かつて台湾に数年間住んでいた日本人サラリーマンが綴る雑食系台湾ブログ。ご連絡はTwitter(https://twitter.com/superflyer2015)経由でお願いします。

なぜベッキーを擁護する人が少なくないのか?

タイトルを見て驚いた方も多いかもしれませんが、こっちのブログではあんまり堅苦しくない感じで、気軽に書きたいことを書いていきたいと思っていますので、たまにはこういう記事もアリかなと。

 

“現代人”は「ベッキー擁護」?


海外に住んでいるので、ワイドショー等で情報を仕入れているわけではありませんが、ネットでいろんな人の意見を読んでいると、ベッキーを擁護する人がけっこう多いということがわかります。
私はずっと、「道徳や倫理をとても大切にしてきたのがかつての日本人のすごく良いところ」、「それらを失いつつあるのが現代人の悪いところ」だと思っていまして、よく友人や同僚(もちろん台湾人)にもそれを話してきました。だから、今回の件に対する世間の反応は個人的には非常にしっくりきます。

 

大きく変化した女性の生き方


まだまだ不平等だと言っている人は少なくないけれど、かつての日本社会と比べれば、女性はかなり自由になれたのだと思います。私の業界にも重要な役職についてとても高い給料をもらっている女性はたくさんいますし、大学院まで出ているような高学歴な女性もゴロゴロいます。そもそも現代社会において、「女は男よりも下」だなんて思っている人はいるのでしょうか?
ある程度の年齢以上の「去り行く人たち」の意見などはどうでもいいのですが、これからの日本社会を形成していく20代〜30代の人たちにとって、男女平等などというのはもはや当たり前の話です。自分自身で全責任を負うことを前提に、誰もが自分の生き方を自分で決めることができるのです。好きな学校に進学して、好きな職に就いて、好きな場所に住んで、したければ好みの異性(同性の場合もあります)と恋愛して、したければ結婚して、欲しければ子供を作って、自分の望むような時間の過ごし方をすることができます。もちろん、「自由」である代わりに「競争」がありますから、どこまで欲しいものを手に入れられるかは各々の「初期条件(親の経済力、健康状態、ルックスなど)」、「努力」、「運」等に緩く依存します。ただ、かつての日本人と比べれば、基本的には自分の頑張りによってだいたいのものは手に入ります。これに異論がある方は、「本当に死ぬ気で努力をしたのか?」自問自答してみてください。「努力ができるかどうかも才能次第」といったような屁理屈を言う人もいるようですが。

要は現代社会を生きる若者にとっては、基本的に何でもかんでも自分次第なのです。まだ完全ではないのかもしれないけれど、「個人主義」がどんどん進んでいます。会社の飲み会なんかそもそも存在しないような職場もたくさんありますし、ルールに則ってガンガン有給を取得している人も決して少なくないはずです。少なくとも、私の周りには「有給がとりづらい時期がある」という人はいても、「有給なんてそもそも取れない」と言っているような人はいません。転職もだんだんと一般的になってきましたから、変な会社は放っておいても潰れるでしょう。現代人にとって、「良いものや好きなものにはしがみつく」、「悪いものや嫌いなものからは早めに離れる」なんてのは鉄則ですね。

ということで、現代社会において「自由」は「正義」です。「なるべく他者からの望まない干渉を排除して生きる」ことが理想なわけです。ですから、我々のような一般平民にとっては、芸能界という華やかな舞台で活躍し、莫大な稼ぎを得て、好きな異性との恋愛を思いっきり楽しんでいる(ように少なくとも我々には見える)ベッキーは「大正義」なわけです。現代社会における「お手本」とも言えるような生き方ですね。特に人を愛する気持ちというのは非常に純粋なものですから、すごくピュアな「心そのもの」が全面に出た人となりを感じますね。交際相手の奥さんは一般的に言って可哀想ですが、そんな男性を将来の伴侶に選んだのは奥さん自身なのですから仕方がありません。奥さんはまず初期の時点で重要な判断を誤り、さらにベッキーとの「競争」に負けたのです。ただ、奥さんのご主人は国民なら誰でも知っているような有名人であり、離婚に至ればかなりの額の慰謝料を得ることができますから、そのお金と共に自分の人生を再構築するチャンスがまだまだ残っています。我々のような一般平民よりは「力」を持っていると言えるのかもしれません。

以上のような理由で、「ベッキーはそんなに悪くないよ」と言っている人も少なくないのでは、と私は想像するのですが、どうでしょうか?
上述の考察、ほんのちょっとくらいは的を得ていませんか? そもそもこういうのは男が書かない方がいいのかもしれませんが。

最後に


それでは最後に、私が個人的に言いたいことを一つだけ、、、

私は「倫理」や「道徳」が軽い存在になってしまった現代の日本社会が大嫌いです。

ベッキーを擁護している人が少なくないという事実にあまりにも驚いたので、つい今回はこんな記事を書いてしまいました。

え?
「一番悪いのは川谷絵音だろ」?

それじゃあ問いましょう。
嫌な例えで申し訳ないのですが、「10人を殺害したイスラム国のテロリスト」と「5人を殺害したイスラム国のテロリスト」の「どちらが悪いのか?」を議論することに意味はありますか?
ただ一つ言えるのは、「両方とも人でなしのクズ」だということだけです。