元台湾在住サラリーマンの徒然なる日々

かつて台湾に数年間住んでいた日本人サラリーマンが綴る雑食系台湾ブログ。ご連絡はTwitter(https://twitter.com/superflyer2015)経由でお願いします。

2016年中華民国総統選挙

ベッキー最低だななんて思っていたら、今度はSMAPですか。昔からイケメンの代名詞みたいな存在だったけれど、もうキムタクの顔もテレビで見たくないな。
他のニュースに目をやれば、株価が暴落したり、それを買い支えるために日本政府がどんどん年金を突っ込んで我々のお金が間接的に日々目減りしたり、それに対して学の無い人たちが「中国のせいだ!」などとヘイトスピーチしたり、バスが転落して未来ある若者がたくさん死んだりなど、暗くなる話ばかりです。
しかもどうやらこのバス会社は、「運転手に健康診断を受けさせていなかった」などといった理由で事故二日前に行政処分を受けていたそうですね。実は、私は昨年高速バスで事故に遭い、それも明らかな車両の整備不良が原因であったため、代替手段の利用がどうしても難しい場合を除き、二度と高速バス(長距離バス)には乗らないことに決めました。悲しい事実だけれど、やっぱり安いものって怖いです。別の例を挙げると、私は学生時代によく、治安の悪そうな場所にある防火設備の怪しい安宿に泊まったりしましたが、今考えると避けるべきだったと思います。

さて、将来歴史を振り返った時に、明日は台湾にとってとても重要な日になるかもしれません。
明日は「2016年中華民国総統選挙」の投票日なのです。
現在の中華民国総統(日本で言うところの総理大臣)は馬英九という人なのですが、この人の名前に入っている「九」というのは、香港の「九龍」という地名からきているもの(中華圏の人はよく名前に出身地の地名を含める)で、まあものすごく荒っぽく言えば台湾人ではなく中国人なんですよ。在任中、極端に中国にすり寄るような政策ばかりを続けましたから、この人が大嫌いな台湾人は多いわけです。もちろん、彼同様比較的近年中国から移ってきたような人(いわゆる外省人)の中には、親中派も少なくはありませんが。
もちろん結果が出るまで確実なことはわかりませんが、明日の選挙で政権交代が起こることがほぼ間違いないと言われています。中国国民党(国民党)から民主進歩党(民進党)に代わるのです。民進党の主席は蔡英文(台湾生まれのいわゆる本省人)という女性で、彼女が次のトップになる可能性が極めて高いです。
「何がいい政策なのか?」というのは非常に難しい問いですから、「これで台湾(中華民国)社会が良くなる!」とか、「これで台湾(中華民国)は独立国家として世界から認められる!」などと現時点で言うのは正しくないのですが、とにかく現状本当にたくさんの問題をかかえている国(そもそも日本政府は中華民国を国とは認めていない)ですから、多くの人たちが安心して平和に暮らしていけるよう、いい舵取りがなされるといいなと願うばかりです。その舵取りを誤ると、数十年後には中国に完全に飲まれてしまう可能性も否定できませんから。

自分が日本人だからなのか、海外に住んでいるからなのか、時事問題に関心があり過ぎるからなのか、理由はよくわかりませんが、最近すごく閉塞感というか、息苦しさみたいなものを感じます。台湾に対する不満ではありません。実はそろそろ日本に戻ろうかと考えているので、日本の社会に対してです。貧富の差はどんどん拡大していくし、誰もが「自分より下の人を見て悦に入る」ことをエネルギーにして生きているように見えます。って、ちょっと言い過ぎかもしれませんが。

逆に、台湾の人たちは本当に心が温かいです。みんな本当におおらかだし、商売への関心は高いけれど、人を騙したり嵌めたりしてまで、、、という感じではありません。褒めてばかりだとあれなので、悪いところを書くのであれば、「大雑把」とか「仕事が少しだけ雑」といったところでしょうか。そういった台湾の人たちの「人間味」こそがこの国の特筆すべき特徴ですし、私がブログを通して最も伝えたいと思っていたところなので、そのあたりに関しては今後いろんな角度から書いていくつもりです。

さて、少し長くなってしまいましたが、まずは明日の選挙の行方を見守りたいと思います。

最後に、上述のバスの事故で亡くなられた被害者の方たちのご冥福を心からお祈り申し上げます。特に若い学生さんたちは、これからやりたいことがたくさんあっただろうに。

私には、子供の頃から耳に胼胝ができるほど繰り返し親から聞かされた言葉があります。「親よりも先に死ぬことは親不孝の極み。ものには順序というものがある。」