元台湾在住サラリーマンの徒然なる日々

かつて台湾に数年間住んでいた日本人サラリーマンが綴る雑食系台湾ブログ。ご連絡はTwitter(https://twitter.com/superflyer2015)経由でお願いします。

小室哲哉氏の引退によってわからなくなってきた「結婚の意義」

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本日、2018年1月19日、音楽プロデューサーの小室哲哉氏が引退を発表しました。
私は一人のファンとして、はっきり言って現在非常に気分が沈んでいます。

 

擁護するために書くわけではないのですが、今回の件においては「介護」が一つのキーワードとなっているようです。実は私もプレイベートで色々とあったので、それに関連してこの度、「そもそも結婚の意義とは何なのか?」という一つの大きな問題に行き着きました。せっかくなので、考えたことを少し文字にしてみようかなと。

 

以下、「結婚」という一つの社会契約について、”ドライな視点”で考えてみたいと思います。あえて今回は言葉を綺麗に整えずに非常にフランクな感じで書かせていただきますが、一つの視点を形にする試みですから、そのつもりでお読みいただければと思います。

 

管理人の素直な感想


今回のニュースを見て、皆さんがどう思われたのかはわかりませんが、「やっぱり結婚って怖いな」なんて思った独身男性は少なくないような気がします。

 

小室哲哉さん(59歳)がKEIKOさん(45歳)と結婚したのが2002年で、KEIKOさんがくも膜下出血で倒れたのが2011年です。近年、彼に関しては、「病気で倒れた奥さんを献身的に支える夫」というキャラクターが定着していた気がします。私も、いい夫婦だな、なんてずっと思っていました。

 

でも、この結末を見てしまうと、う〜ん、、、となってしまう自分もいるんですよね、、、
あ〜本当にしんどかったんだな、、、って。

 

真実なんてわかりませんが、多分、その女性とは、いわゆる男女の営みはなかったのではないでしょうか。彼が言っている通り、心を支えてくれる存在でしかなかったんじゃないかなと。私は社会の底辺ですが、長年異国の地で一人で寂しく生きていますから、「何もしなくていいから、安心できる女性に隣で一緒に寝てほしい」と思う感情というのは理解できるんですよ。女性には理解できないのかもしれませんが、これって本当に性欲や愛情とは一切関係ありませんからね。本当に心が折れそうな時に、傍にいてほんの少しだけ癒してほしい、安心して眠りたい、本当にそれだけなんですよ。

 

もちろん、何もしなくたって既婚男性が奥さん以外の女性と同じベッドで寝たら不倫以外の何物でもないとは思います。ダメなものはダメ。そんなのは当たり前。ただ、でも、何年も頑張った上でのことですから、もしかしたら、もう本格的に心がボロボロだった可能性もあるんじゃないですかね。だから何?って言う人もいるのかもしれないけれど、介護している側が先に潰れるととんでもないことになりますからね。このプレッシャーというのは想像を絶するレベルなのだと思います。

 

そんなことに思いを巡らすと、なんだかなぁ、、、なんて思うわけです。彼のことを擁護したくて書いている訳でも何でもないのですが、人生ってしんどいな、、、なんて純粋に思うわけです。

 

病める時


相手のことが好きで一緒になることを決めて、神様の前で誓ったのなら最後まで責任持って尽くせよ!って言う人の気持ちもわからなくはありません。でも、「病める時も健やかなる時も、、、」ってセリフを聞いている段階では、この言葉の重さはやっぱり理解できないのが普通だと思うんですよね。KEIKOさんは30代の終わりで倒れているわけですけれど、現代のアラフォー女性なんてみんなまだまだ綺麗じゃないですか。そのくらいの年齢の彼女や奥さんがいる男性、今これを読んでいる方の中にもそれなりにいるかと思いますが、想像できますか? 相手がある日急におかしくなってしまった場合のことを。

 

例えば、自分の彼女や奥さんがある日急にまともに喋れなくなって、排泄物を垂れ流すようになったら、あなたは正気でいられますか?

 

もっと言えば、心から愛していて、性欲を向ける対象でもあるパートナーの排泄物の処理とかできますか?

 

ものすごくドライな言い方をすれば、こういうのは全て、結婚に付き纏う「リスク」なのだと思います。恋人なら簡単に別れられるけれど、結婚なんていうのは家と家とが繋がる社会契約ですし、相手の親や兄弟、その他の親族、会社の同僚などなどたくさんの人があなたのことを見ていますから。

 

自由な時代


皆さんには理解できないかもしれませんが、昔は何もかもが違いました。私は昭和な人間ですが、昔であれば、30歳を過ぎて未婚というのは軽く恥ずかしいことでした。例えば男にとっては、結婚して所帯を持つということは、社会人として一人前と見なされるための基本的なプロセスだったのです。

 

今では、既婚者に「お子さんはいらっしゃいますか?」なんて質問しようものならSNS上でボロクソに叩かれるわけですが、昔はそんなめんどくさいこともありませんでした。

 

この10年くらいで日本社会はとてつもなく大きな変化を遂げました。徹底した自由主義、個人主義への遷移が起こったのです。

 

誰もが自由に自分の生き方を決められる時代になり、親が子供に結婚を急かすこともなくなりました。専業主婦という概念もなくなりました。男女が完全に平等になり、求人募集の際に、「能力が同等なら女性を採用する」とはっきり明記する組織も増えてきました。女性の構成員の割合を一定数以上にするよう国が命令する時代ですから、今まで長きにわたり女性を冷遇してきた分、これから罪滅ぼしをしようという流れが社会全体にあるわけです。

 

もはや女性が「生きるために結婚する」時代ではありませんから、結婚は「したければすればいい」程度のものになりました。男性側にとっては、結婚が社会人としてのステータスになる時代ではなくなったわけですから、「結婚する必要」がなくなりました。その結果生まれたのが、「結婚はコスパが悪い」という秀逸な表現です。

 

個人主義の時代へシフトし、誰もが「自分の人生の質」のことのみを考えるようになりました。その結果、「リスク」に対する目も非常にシビアになってきたのだと思います。

 

ですから、結婚する人が年々減るのなんて当たり前なんですよ。リスク評価をきっちりやれば、メリットよりもデメリットの方が大きいことは明らかですから。

 

鍵は「子供」


当ブログの過去記事を読むと、私が極端に「子供」や「子供を持つ親」を持ち上げていることが分かるかと思います。それは、こんな時代にあっても、結婚のモチベーションになるのが子供を持つことだと考えているからです。まあそれに、子供がいなくなったら人類は滅びますしね。というか、滅びる前に日本みたいな小国はすぐに中国になると私は確信していますが。

 

そんなこともあり、実は私、子供を持たないのなら、現代において結婚はコスパが悪いと考えています。最近は愛人斡旋のサービスも充実してきていますから、男であれば、そういったサービスを利用して適当な人材を買い、古くなったら新しいのに交換する方が満足度は高いと思われます。というか、経済的に余裕のある男性の中にはそういった生き方をしている人がたくさんいますよね。非常に良く時代にマッチした生き方だと思います。

 

もちろん私はそういった吐き気のするような生き方をしている男たちや親から授かった体を平気で売ってしまう女性たちが大嫌いなので、日々一生懸命子供を持ち上げるブログ記事を書いて抵抗を続けているわけです。

 

結婚に伴うリスク


そんなわけで、私は「20代のうちに結婚して子供を2人以上持つべき」と大昔からずーーーっと思っています。「古臭い考えだな、、、」なんて思われたかもしれませんが、まあ私のような高齢者はそのうち絶滅しますから、もう少しだけ我慢してください。

 

ただ、そんな私であっても、今回の件には考えさせられました。要は、配偶者が若いうちに病気や事故で壊れてしまう可能性があるということです。「最低!」と批判されるのを覚悟で書きますが、病気や事故でパッと亡くなる場合は多少話がシンプルなのかもしれません。ただ、「長年続く介護生活」となると全く別次元の話になるわけです。

 

皆さんは、このリスクをどう処理しますか?

私には、ちょっと現時点ではいい案が思い浮かびません。

 

もちろん、上で書いたのはただの例であって、他にも、事故で腕や足を失ったり、半身不随になったり、失明したり、火事で顔の皮膚がぐちゃぐちゃになったり、、、と他にも可能性はいくらでもあります。これら全て、どうやったって完全に避けることは不可能な「リスク」なのです。

 

愛?


こういう話をすると、すぐ「愛の力」のようなものを持ち出す人がいるわけですが、私に言わせれば、おめでたい人だなと、、、

 

配偶者の介護で苦しんでいる人は世の中たくさんいるわけですが、逃げたくても逃げられない理由があるケースが多いような気がします。親族からのプレッシャー(というか正確には監視)も大きいでしょうし、いざ逃げたとして、そんなことをしたらすぐにその事実は周囲に知れ渡るわけですから、潤沢な資金を持って海外に高飛びでもしない限りまず無理だと思います。もちろん、良心の呵責だって主なソースだと思います。

 

そこに本当に「愛」はあるんですかね?

 

ある場合もあるかもしれないけれど、10年その愛をキープできるでしょうか?

 

人間は仏にはなれないような気がするのですが、、、どうでしょうかね、、、

 

最後に


この辺で終わりにしますが、とにかく今回の会見における小室哲哉氏の表情を見ていたら、もう悲しくなってきてしまって、、、

 

あんなにまで華々しい姿を見せてきた天才なのに、最後はこんなかよっていう、、、

 

上述の内容は色々とズレた話のように思われるかもしれませんが、今回のニュースを知り、雪崩のように頭の中に押し寄せてきた何かをとにかく素直に文字にしてみました。我々が今回間接的に目にしたのは、「一組の夫婦の生き方」の断片であり、私の頭にパッと浮かんだワードは「結婚」と「介護」でした。