元台湾在住サラリーマンの徒然なる日々

かつて台湾に数年間住んでいた日本人サラリーマンが綴る雑食系台湾ブログ。ご連絡はTwitter(https://twitter.com/superflyer2015)経由でお願いします。

外国人の日本に対する間違った理解。落とした財布など戻ってはこないし、妻は夫には尽くさない。

昔ながらの日本家屋


昔からネット上には、「外国人が日本を訪れて驚くこと」などといった記事が散在しており、皆さんも一度や二度はご覧になったことがあるのではないでしょうか。

私ももちろん、過去にはそういった記事を目にしたことがあり、その度に「なるほど!」とか、「いやぁ〜最近の日本人には当てはまらないでしょ」なんて、まああーだこーだと思っていたわけです。皆さんもきっと似たような感じだと思います。

つい最近、「中国人の驚く日本12の秘密」という記事(別記事の引用とのことなのですが、元記事については明記されていませんでした。したがって当記事でも当該記事の発表元は明記しないことにします。)を読んだのですが、議論の種にちょうどいいなと思いましたので、今回私なりに考察をしてみました。私が今いるのは「台湾」ですから、中国人の視点との間にもしかしたらギャップがあるかもしれませんが、個人的には外国人一般がいかにも抱いていそうなイメージだなと思ったので、一海外在住日本人の視点から意見を述べてみたいと思います。

 

1、座りションをする男性


初っ端からなんかちょっとアレなのですが(笑)、これってかなり新しいですよね?

外国人がこの「傾向」をどの程度認知しているのかわかりませんが、私自身も自分の家ではこれを実践しているので納得です。男性ならもちろんわかる話ですが、立ってしたらどんなに気をつけても必ず便器の広範囲は汚れます。粒子が小さくて目に見えていないだけで、立ってしようものなら、顔面の位置以上に微粒子は拡散しますから、我々は自ら出したものの少なくともほんの一部を自ら吸い込んでいるわけです。

ちなみに、当該記事中には、「便所掃除をする妻が怖いからである」と書かれていましたが、私のような一人暮らしの男性でも、実践している方は少なくないのではないでしょうか。

だいぶ前に日本の某女性芸能人が、「トイレ掃除くらいいくらでもしてあげるから、男らしく立ってしてほしい」と言っていましたが、今これをお読みの女性の皆さま方はどう思われますか?

 

2、財布を失くす心配はない


これは最も有名な話だと思いますが、そもそも皆さんは財布を落としたことってありますか?

私は子供の頃、某スクールの更衣室に置いたカバン(ロッカーではなく棚になっていた)の中に入れてあった財布から、レッスン中に札を全部抜かれるという経験をし、それ以降人のことが信じられなくなりました。詳述はしませんが、間違いなく他のレッスン生の犯行です。

もう一つ、今でも忘れられない経験があります。若かった頃、旅行に行った帰りの特急列車に乗車中、車内販売を利用する際に便利なので、前席後部の網の中に財布を入れていました。そして駅に到着後、回収するのをうっかり忘れて下車。すぐに気付いたのですが、電車のドアは閉まり動き出していました。しかしながら、そこは終点でその後は回送運転でしたから、多分きっと、、、なんて思いつつすぐに駅員さんに連絡。すぐさま調べてくれました。しかし、その財布が戻ってくることはありませんでした。免許証、保険証、キャッシュカード、クレジットカード、現金約13万円(念のため現金を用意しておいたところ、宿でクレジットカードが使えたのでほとんど使わずに残っていた)が消え、恋人との最高の旅行の思い出が傷ついてしまいました。

私の財布をゲットした人、嬉しかったでしょうね。中身は現金で13万円ですから。きっと、また落ちていないかなって、その後も期待しちゃうでしょうね。

そんな経験も踏まえた上で先日書いたのが実はこちらの記事だったりもします。

 

taiwanlover.hatenablog.com


ということで、日本でも財布を落としたりどこかに忘れてきたりなんかしたら、戻ってはきません。

 

3、銀行が企業に頭を下げる


これは景気次第ではないでしょうか。
貸し渋りなんていうのは、日本でもいくらでもあったはずです。

 

4、ご自由にお持ちください


路上に出しっぱなしの家財道具の話のようです。
私は日本にいた頃は東京に住んでいましたが、そういったものは見かけませんでした。田舎に行けばもしかしたらあるのかもしれません。

 

5、割り勘


当該記事では、「日本では結婚式の二次会ですら割り勘」と書かれていましたが、「いちいちその場で計算をする」点を言っているのではないかと推測します。

ただ、結婚式の二次会の場合、普通は幹事が事前に決めた額を集めますよね? あれは普通、割り勘とは言わないはずです。台湾でも私の知る限り日本と同じやり方です。

ちなみに、台湾で同僚や友人たちと会食した際などは、日本同様もちろん割り勘です。会社のかなり偉い方と食事をした際には奢ってもらいましたが、奢ったり奢られたりというのは決して一般的ではないと思います。飲酒人口が少ないことも影響しているのではないでしょうか。

割り勘とはあまり関係ないかもしれませんが、台北の繁華街にあるクラブで白人の男性が女の子に気前よく酒を奢っているのを見たりなんかすると、日本人は貧しくなったな、、、とは思います。

 

6、学歴重視


「日本は学歴社会」だと日本国内ではよく言われています。私もかつてはそう思い込んでいました。しかし、台湾に移住して以降、日本社会なんて学歴社会でも何でもないということを知りました。

台湾は、日本なんて比べものにならないくらいの学歴社会です。

わかりやすい例を挙げましょう。
皆さんは、日本の総理大臣の学歴をご存知ですか?
台湾の総統の学歴をご存知ですか?

調べればすぐわかるはずですが、まあそういうことです。

うちの職場の某事務さん(大学院卒)は交際相手を親に紹介したところ、相手の男性の学歴が「つりあわない」との理由で反対され、別れることになりました。馬鹿みたいな話だなと私は思いますが、台湾では、子供の異性交際に親が口を挟むことがまだまだ多のです。個人的には、これは深刻な社会問題だと捉えていますが。

もちろん、就職活動の際にも学歴は極めて重視されます。実際、うちの会社の事務さんは全員院卒ですから。連中の配偶者も、私の知る限り同様です。

私は学がないことをずっとコンプレックスに感じてきましたが、日本人に生まれて良かったなと思うようになりました。

ちなみに念のため、誤解を招かないように書いておきますが、日本同様、台湾でも手に職系の仕事は人気があり、学歴を身につけて会社勤めをすることがベストだと考えている人たちばかりではありません。

 

7、給料は妻の管理


これはまあ、ある程度よく現実を反映しているような気がします。

ただ、あくまで昔の日本の夫婦関係の名残でしょうし、最近では共働き世帯も多いので、別々に管理しているご夫婦も少なくないのではないでしょうか。強調してあえて言うほどのことでもないような気がします。

というか、そもそも、東京で働いている身内や知り合いに目をやると、彼らの多くは独身です。今後、一生独身で過ごす日本人はもっともっと増えるでしょうから、なおのこと、インパクトに欠ける話題だなと思います。

台湾の状況はよくわかりませんが、昔は日本とほぼ同じで、奥さんが毎朝旦那さんの出勤時に100元(約370円)を手渡していたという話を聞いたことがあります。

 

8、性産業の異常発達


これに関しては、日本人男性としてぐうの音も出ません。
近隣諸国を見渡せば、中国でも韓国でも台湾でもベトナムでも「違法」です。しかし日本では「合法」。お金さえ払えば何でも買えます。

ある同僚は、「台湾の状況を見ればわかる通り、法律で禁止したってなくならないわけだから、合法にしてしっかり納税させ、衛生管理をした方がいいと思う」と言っていました。

賛否両論いろいろとあるわけですが、私は性は売り物にするべきではないと考えています。

 

9、治安の良さ


日本人が誇りに思っていることですね。

ただ、例えば、ベトナム人はそうは思ってはいないのではないでしょうか?
小学生を平気で殺すようなロリコン中年が学校関連組織の役員をしているような国ですから。

「たった1件でしょ」と言う方がいるかもしれないけれど、親からしたら子供の命はたった一つだけ。そのたった一つが全てです。世の中には、どんなことがあっても絶対に起きてはならないことというのがあります。

 

10、娘を3人持てば身代つぶす


息子でも同じだと思いますが、妥当だと思います。

これに関しては、とにかく国に何とかしていただきたいです。日本の皆さんには、子供は国の宝であり、国民みんなで育てるべき存在なのだという意識を持っていただきたいなと、私はいつも思っています。(偉そうにすみません、、、)

台湾社会を見ていれば、子供を作らない人が増えているのは経済的な理由のみに依るわけではないということはわかりますが、それでもやはり、「共働きをしなければ子供を養えない」世帯へのサポートはもっと充実させるべきだと思います。

 

11、妻は夫につくす


これ、皆さんはどう思いますか?

ちなみに、台湾は真逆です。男は結婚後もひたすら女性に尽くします。

上の方でも書きましたが、近年は日本でもバリバリ働いている既婚女性が非常に多いわけで、どちらがどちらに尽くすというような単純な構造はしていないと思います。もっとも、そういった観点から考えると、台湾の状況は非常に不思議に思えるわけですが。

 

12、定刻15分前に出勤する


一般的に正しいのかどうかはわかりませんが、とりあえずこれを「強いられている」日本人は多いでしょうね。

時間に関して厳格なのは間違いなく日本人の特徴だと思います。台湾では誰も細かいことは言いません。結果、私はそれに慣れ過ぎてしまい、はっきりいって時間に関してはかなりルーズになってしまいました。日本から外に出るとそういう面では気楽ですが、逆方向だと結構大変かもしれません。

 

まとめ


こういう系の話題はやっぱりなかなか面白いですね。

昔から変わらない日本人や日本社会の特徴があれば、近年急速に変化していることもあります。また、上に書いた財布の話のように、自らの経験や周囲の環境に大きく影響を受けることも多いような気がします。

最後に、私が過去に書いた記事でも何度も書いていることを繰り返して終わりたいと思いますが、日本のことを客観的に見たいと思ったら、「外」から見る以外に方法はありません。森の中にいれば木は見えますが、森は見えないのです。

そういった側面もあるからこそ、ある程度の範囲内における国際的なレベルでの人材の流動性というのは確保されるべきなのだろうと私は考えています。

主観的なものではありますが、私の祖国への愛(?)に満ちた「外からの視点」のほんの一部を読者の皆様に提供することこそが、当ブログの役割というか価値なのかなと思っています。