固定観念を捨てて改めて眺めてみた時に見えてきたもの。
中国政府による人民の管理
最近、外国から中国に戻ってきたのですが、北京首都国際空港の入国審査が大きく様変わりしていて驚きました。詳しくは以下の記事をご参照ください。
今回は外国人に対するものなのですが、中国政府は自国民に対する「監視」やそれに関連したIT技術の実験も積極的に行っていますから、最終的には全人民を「管理」することにより治安の維持及び恒久的な安定政権の樹立を目指しているのだろうと予想できます。
究極的には、おそらく中国政府は地球上の全ての人間にGPSを埋め込み、ログ(記録)をとって人間の動きを完全に把握したいのではないでしょうか。
今これを読んでいる方たちの中には、「うわっ、キモっ!」とか、「それじゃあまるでロボットじゃん!」なんて思われた方も多いのではないでしょうか。
西側諸国の人権思想に従えば、我々人間には「知られない権利」、つまりは「プライバシー」に関連した権利というものがありますから、もちろんそういった監視政策、管理政策というのは全てNGということになります。
でも、、、
ただ、個人的には、連中の気持ちがわからなくもない部分もあります。
現代では海外にいようとニュースサイト経由で日本で日々起きていることを知ることができるわけですが、目に入ってくるニュースと言えば、、、彼氏(内縁の夫)が彼女(内縁の妻)の子供を虐待して殺したり、母親が幼児をバルコニーから落として殺したり、小学生が何者かに殺され線路上に遺棄されたりなど、悲しいニュースばかりです。
これら3例のうち、最初の2つははっきり言って防ぐのは難しいです。例えば、最大の保護者である母親が子供に殺意を持ってしまったら、もう誰にもそれを防ぐことはできないでしょう。強いて言えば、望まない妊娠を防ぐために、義務教育の段階で性教育、特に避妊の重要性を徹底的に説くしかないのではないでしょうか。
ただ、問題は3番目の事件です。言うまでもなく、現在日本で騒ぎになっている新潟市で起きた小2女児殺害事件のことです。当記事執筆時点では、犯人はまだ逮捕されていません。たった今、あなたのすぐそばにそいつ(そいつら)がいるかもしれないのです。
例えば、もし日本人全員にGPSが埋め込まれていたら、犯人の検挙などいとも簡単です。地球上のどこにいようと居場所を簡単に突き止めることができるわけですから。
そして、ここが重要な点なのですが、もしかしたら、「絶対に逃げられない」ことが事前にわかっていたら、犯人はそんな事件を起こさなかったかもしれないわけです。少なくとも、そういったガチガチの管理システムがあれば防げた事件は過去にたくさんあったでしょう。
そう考えると、なんだかなと、つい思ってしまうわけです。
例えば、私は殺傷事件など起こすつもりはないし、強盗事件も強姦事件も起こすつもりはありません。ですから、常に私の行動が政府に監視されたとしても、はっきり言って困ることは何一つありません。監視プログラムの実行により、世の中の治安が良くなり悲しいニュースが減るのであれば、そちらの方が望ましい気すらします。
でも、中国のこういった方向性に対して、地理的に近い場所にある典型的な民主主義国家である日本や台湾の人々は大反対しているのが現状です。
あなたはどう思いますか?
「中国=悪」、「中国人=嫌な存在」、「中国=民主主義の敵」等の刷り込みから一旦離れて、中立的な立場でこういった一連の監視政策について考えてみてください。
その上で、あなたはどう思いますか?
私なりの答え
個人的には、収集したビッグデータが適切に管理されるのであれば、私は全人類にGPSを埋め込む案には賛成です。
しかしながら、現実的に考えれば、そんなものの適切な運用など絶対に不可能です。なぜなら、そのデータを管理するのが人間だからです。データへのアクセス権のある権力者は間違いなくそれを自らのために利用します。政敵の動向を当然監視するでしょう。勘繰りによって本来なら起きなかった暗殺事件なども起きるかもしれません。データへのアクセス権があるということは、もちろん都合の悪いデータの削除も可能でしょう。結局のところ、「王様」の倫理観や道徳心に強く依存した運用になってしまうわけです。これではやはりダメです。社会の安定化に十分に寄与するとは言えません。
あとは、この手の「管理」の仕方というのは自然に逆らう行為ですから、我々が現時点では想像できないような問題が他にもたくさん起きそうな気がします。人間には少し過ぎた行いに思えてなりません。
ということで、やっぱりやめておいた方がいいでしょうね、こういうのは。
ただまあ、GPSの埋め込みなんかはする必要ありませんが、子供の通学路に防犯カメラを設置するくらいのことはすべきなのではないでしょうか。適度な抑止力は絶対に必要だと私は考えています。1億人もいれば、工業製品と同じように「欠陥品」もそれなりの数産まれてきてしまうわけですから。
終わりに
「自由」であることは大事だと思いますし、ルールだらけでガチガチに縛られた生活は窮屈だろうなと個人的には思います。
ただ、例えば最近の日本人の中には倫理観や道徳心が欠如している人も多いようで、40代の有名人が未成年の女の子に無理やりキスしてクビになったなんてニュースを見ていると、人間なんていうのはある程度縛らないとダメな生き物なのかも、、、とつい思ってしまいます。
近年話題のヤグチ、もとい「不倫」なんかも同じです。ドラマにまでして国民を煽ったりと低俗な日本のメディアがおもちゃにしていますが、まともな人間からしたら信じられないような話ですからね。
SNSにおけるいわゆる「裏垢」なんていうのも気持ち悪いですね。私はTwitterをよく見ているのですが、「神待ち」とか「援待ち」とか、、、現状SNSなんていうのは違法行為の幇助ツールになっている面もあります。本気になって規制をかけようとすれば簡単なはずなんですけれどね。
人間のやることは予想がつかないから面白い部分もあるし、そういった「余裕」がここまで文明を発達させたのだとは思いますが、個人的にはやはりどうしてもその存在自体が脆弱に思えてなりません。今度私が訪れる予定の場所では昨日テロが起き人が死にました。
悲しいニュースはいったいどうやったら減らせるのでしょうか?
人を殺すような人をいったいどうやったら効率よく排除できるのでしょうか?
自由が保障されるためには、色々と前提条件があるのだと思います。それらの条件、要は基本的な倫理規定なんかを守れないような「欠陥品」からは、自由を奪うのが理にかなっている気がします。他人の人権を侵害する者に人権はありません。