元台湾在住サラリーマンの徒然なる日々

かつて台湾に数年間住んでいた日本人サラリーマンが綴る雑食系台湾ブログ。ご連絡はTwitter(https://twitter.com/superflyer2015)経由でお願いします。

長澤まさみさん出演の「Meet Colors!台湾」がショボくてがっかりしている台湾人

この度、私にクレームの連絡がありました。

 

長澤まさみさん出演の「Meet Colors!台湾」


昨日、職場の同僚(台湾人)に教えてもらって知ったのですが、2016年の台湾観光イメージキャラクターである長澤まさみ(長澤雅美)さんの出演する台湾観光のPR動画(CM)が公開されたそうです。

 

Meet Colors!台湾 (2016台湾観光イメージキャラクター長澤雅美) (60s) - YouTube

 

Meet Colors!台灣 (2016日本地區台灣觀光代言人-長澤雅美) (60秒) (中文字幕版) - YouTube


その同僚の感想はたった一言、「どこだよここ」。

ということで私も見てみましたが、、、台湾に何年も住んでいる私的には、とにかく「的外れ」感が強いですね。これ見て台湾に行きたくなるかって言われたら、ならないでしょう、、、

やたら「色」を強調しているけれど、そもそも台湾って決して彩に溢れた国ではありませんからね。四季の彩に溢れた国である日本でPRするための動画としては、全くもってしっくりこないなと、、、

それに、生魚を映して「シルバー」って、、、D.Oだったら「おいお前ディスってんのかよ!」って暴れるレベルだと思います。(※私は彼のファンです。でも、ドラッグはダメ、絶対!)

先ほどその同僚と直接話したのですが、「要は他の切り口が見つからなかったってことなわけで、台湾には目立った魅力がないってことなんだろうね。そりゃ日本には何でもあるからね、、、」と結構がっかりした様子でした。ちなみに、彼は日本フリークで、今年も既に日本を観光で訪れています。

 

「台湾の魅力」とは?


それでは、日本人にとっての「台湾の魅力」とは何なのでしょうか?

当ブログでも耳にタコができるほど繰り返し書いてきたわけですが、個人的には「人」一択だと思います。よく私は日本人から、「台湾は食べ物が美味しいから、住んでいるなんて羨ましいです」とネットの世界でもリアルな世界でも言われますが、どう考えても日本の方がはるかに食に関しては充実しています。食に関して言ったら、間違いなく日本は世界一です。

これはやはり住まないとわからない部分だと思いますが、台湾社会は日本のようにギスギスしていなくて、感じるストレスの度合いが大きく異なります。スーツ着て痴漢冤罪の恐怖に怯えつつ満員電車に揺られて通勤し、ロボットのように働くことが求められる日本とは大違いです。

私は台北に移ってくる前は東京にいましたが、日々感じるストレスはもう尋常なレベルではありませんでした。同僚の一人は、パワハラで鬱になり、「お前たちの名前全部書いて死んでやるぞ!」と叫んで暴れ、大問題になったりもしました。皆さんの周囲にも、鬱になった人とか、自殺した人とかいませんか? いないのなら、あなたは多分ラッキーです。私は周囲の人たちのおかげで、SSRIなんかに関してだいぶ詳しくなったような気がします。

台湾の人たちは日本人みたいにネチネチしていませんし、良い意味で少しだけ大雑把なところが個人的には大好きです。

 

管理人ならどんなPR動画を作るか?


批判するだけなら誰にでもできますから、「いったいどんなPR動画だったらお前は満足するんだよ?」という問いに答える必要があります。

「人」が魅力だと書きましたが、やはりそんなのはたった数日間の滞在では絶対にわかりません。ちょっと旅行で訪れただけで、「台湾人はすごく優しかった!」なんて目をキラキラさせながら語る女性がよくいるけれど、それはあなたが「お客さん」だからです。日本を訪れた台湾人が同じことを言うのと同じです。

ということで、仮に私がPR動画の製作者だったら、「人」の違いをアピールすることは避け、もっとわかりやすい題材を選ぶかと思います。実は先ほど同僚とこれに関しても話し合ったのですが、やっぱりガイドブック的なPRが一番だろうね、という結論に至りました。「台湾にあって日本にないもの」が何かと言ったら、やっぱり「夜市」と「熱炒」と「小汚い食堂」なんですよね。そういったところで、長澤まさみさんがローカルフードを一口頬張りにっこり微笑む、それでもう十分だと思うんですよ。世の中には工夫が必須な仕事もありますが、工夫なんかせずにスタンダードなルートを選択した方が良い仕事もあるのではないでしょうか。

ただまあ、グルメだけではさすがに寂しいので、おまけとして例えば、台北の大都市としての側面を見せるのもいい案ではないでしょうか。

 

台北101


また、台湾は島国ですから、こんな感じの美しい景色も楽しめます。

 

情人橋


こういった美しい景色をうっとり眺める長澤まさみさん、効果的だと思うんですけれどね。魚映して「シルバー」とか、傘を映して「ピンク」とかやるよりはよほどましなんじゃないかなと。

 

ディープな台湾


もちろん、動画製作者は今回、「ガイドブックに載っている台湾はもういいから、もっとディープな台湾を!」的なことを考えたのであろうことは容易に想像ができます。台湾旅行はリピーターが非常に多いので、「もう夜市とかはいいから、もっとディープな台湾に触れたい!」という方が少なくないのは事実です。

個人的には、真面目な話、本格的に「ディープな台湾」とやらを感じたいのであれば、やはり移住して台湾人の恋人を作るのが一番だと思います。

 

taiwanlover.hatenablog.com

 

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まあとは言っても、さすがにそれは簡単ではないので、個人的にオススメなのは「短期語学留学」です。やはりほんのちょっとでもいいから現地の言葉を話せるようにならないと、どうにもこうにも現地の文化に触れることができないような気がするんですよね。1週間程度の超短期留学であっても、本気で取り組めば、少しくらいは話せるようになるんじゃないかなと。とりあえず、日本語の五十音というか、ひらがなやカタカナに相当する「注音符号」の発音さえきっちりできるようになれば、あとはある程度独学で頑張ることも可能でしょうから。例えば、コンビニでよく聞かれる「袋は必要ですか?」、「温めますか?」なんていう簡単な表現であっても、聞き取れると一気に世界が広がるものです。

実は、「観光客が行かないような場所に行くこと」がディープな旅だとは正直私は思っていなかったりします。それに、やっぱり一番面白いのは人対人のコミュニケーションだと思うんですよね。

ということで、兎にも角にも、皆さんの訪台を心よりお待ちしています。

これだけ毎回頑張って宣伝しているわけだから、台湾政府は私に謝礼をほんの少しくらい支払ってもおかしくはないんじゃないかななんて思う今日この頃。。。