元台湾在住サラリーマンの徒然なる日々

かつて台湾に数年間住んでいた日本人サラリーマンが綴る雑食系台湾ブログ。ご連絡はTwitter(https://twitter.com/superflyer2015)経由でお願いします。

正式開業から1か月が経過した「桃園メトロ(MRT)空港線」の評判

台湾の桃園メトロ(MRT)空港線


早いもので、台湾桃園国際空港と台北駅を最短35分で結ぶ「桃園メトロ(MRT)空港線」が正式開業し1か月が経過しました。私の周囲にも実際に利用した人たちがたくさんいますので、今回はその評判についてお伝えしたいと思います。

 

最初の1か月間は毎日平均6万6000人が乗車


まず、ニュースによると、ビジネスとしては順調な滑り出しのようですね。正式開業後、最初の1か月間は毎日平均6万6000人が利用したのだとか。この期間は運賃半額キャンペーンをやっていましたから、もちろんその影響もあるとは思いますが、やはり話題性の高さが数字に出ている気がします。

私も開業後、比較的早い段階で利用してみましたが、とにかく何でもかんでも綺麗だったのが印象的でした。やはり出来立てのインフラっていいなと思いました。

 

taiwanlover.hatenablog.com

ただ、不満に感じる点がなかったかと言うと、実はそうではなくて、幾つか気になる点がありました。今回はそのあたりも含めて私自身や周囲の人たちの素直な感想をお伝えしたいと思います。

 

空港線を利用すると時間のロスが大きい


結論から先に書いてしまうと、不満を口にする人が圧倒的に多くて、「1回乗ったからもう十分。次回は利用しない。」と言っている人ばかりです。

ただ、これをそのまま旅行客の方が受け取る必要はもちろんありません。うちの会社は台北駅から結構離れた場所にあるので、我々にとっては、空港線を利用しようとするとだいぶ遠回りをする必要があるのです。会社の近くから高速バスに乗れるので、それを利用すれば1時間程度で空港に着きますが、空港線を利用しようとすると最短でも1時間40分くらいはかかってしまいます。

空港線を利用すれば「最短35分で、、、」と書いているわけですが、東京都民の多くが東京駅の近くに住んでいるわけでないのと同じで、台北在住者は基本的に台北駅から結構離れた場所に住んでいます。台北市内には本当に至る所に高速バスの乗り場がありますから、ほとんどの人にとっては空港線の利用は時間の無駄遣いになるわけです。

 

面倒な台北駅での乗り換え


多くの知人たちが口にしたのが、やはり台北駅構内での乗り換えの煩雑さです。特に台北メトロ(MRT)板南線からの乗り換えがエグいですね。とてつもなく距離があるというわけではないのですが、タイミングによっては駅構内は非常に混雑するので、たくさんの荷物を持ちつつ人混みをかき分けざるを得ない際には、やはり不快に感じるかもしれません。

また、一人旅なら気にならない人も多いかとは思いますが、仮にベビーカーを押しながら、、、なんていう状況なのであれば、空港線の利用はあまりお勧めしません。エレベーターはあることはありますが、健常者なのに使おうとする非常識な人が日本同様台湾にもいるので、空港線のホームに辿り着くまでにかなりの時間を消費するかもしれません。空港線の改札付近に十分な数のエレベーターがないのも残念な点の一つです。

 

座れない可能性も!?


これは個人的に特に衝撃的だったのですが、「空席がなくて座れず、立ちっぱなしでしんどかった」という人がなんと、私の同僚の中に3人もいました。

なお、私が乗車した際には、多くの席は埋まっていましたが、空席を見つけるのにすごく苦労するような状況ではありませんでした。

とりあえず、あの時間もし立ちっぱなしだったら、、、と考えると、ちょっとゾッとしますね。もはや乗る意味ないじゃんっていう、、、

いくら台北駅での乗り換えが煩雑だろうが、それでも旅行客には利用をお勧めできるなと思っていたのですが、「座れない可能性がある」という事実を知ってしまった以上、私も容易に皆さんに利用を勧められなくなってしまいました。

座れない場合は、1本遅らせて、、、という策もありますが、ホームで15分間立ちっぱなしで待つのは結構しんどいですよね。あとは、空港の第1ターミナルから台北駅に向かう際、第2ターミナル駅を出た時点で既に席が埋まってしまう可能性もありますから、いくら待っても意味がないという悲しい状況が実現するかもしれません。

今後、地元民の利用者はほぼ間違いなく減ると思うので、空席ができる可能性は開業直後よりは高くなるような気がしますが、実際のところは私にはわかりません。とりあえず、こういったサイトを運営している以上、私としては読者の不利益になるような情報を流すわけにはいかないので、「座れない可能性もある」という点だけは頭に入れておいた方が良いのではないかなと。

 

管理人は今後も利用するのか?


聞いた話ばかり書いていても仕方ないので、最後に私の個人的な感想を書いて終わりたいと思います。

とりあえず、私は今後、空港線は利用しないと思います。というか、最近も桃園空港を利用しましたが、普通にバスを利用しました。

当サイトでは再三、「安全面でメリットが大きい」ことを強調してきましたが、そのためだけに海外旅行の出発日の朝に1時間早く起きるのは案外しんどい、ということに気付きました。あとは、こちらで暮らしていると、少し離れた街への出張など、嫌でも高速バスを使わざるを得ない状況は決して少なくないので、空港に向かう時だけ気を遣っても、、、というのもあるわけです。

ということで以上、だいぶネガティブな内容になってしまい心苦しいのですが、まあでも、リアルなことを書かなかったら、このブログの価値がなくなってしまいますしね。

とりあえず、まずは一度、空港線を実際に利用してみるのが一番だと思います。一度乗ってみた上で、復路はどうするか、次回訪台時にはどうするか、を検討すれば十分だと思います。

ちなみに、空港線ができたせいで、高速バスの本数が大幅に減るのではないか?という心配をされている方もいらっしゃるようですが、台北駅行きのバスが減る可能性はもちろんあると思います。ただ、他の路線に関しては、需要の減少幅は決して大きくはないような気がします。私の周りの人たちのほとんどは、「やっぱりバスでいいや」と言っていますから。

あっ、最後にもう一つだけ。台北駅構内にて、空港線の改札に向かう途中の通路沿いで最近駅弁の販売が始まったそうですが、空港線のプラットフォームや車両内では飲食禁止ですから注意してください。なぜあえて売るのか、私には意味がわかりません。