元台湾在住サラリーマンの徒然なる日々

かつて台湾に数年間住んでいた日本人サラリーマンが綴る雑食系台湾ブログ。ご連絡はTwitter(https://twitter.com/superflyer2015)経由でお願いします。

中国生活は2年目に突入。台湾生活を振り返って思うこと。

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時間が経つのは本当に早いですね。

 

中国生活は2年目へ


ご存知の方もいらっしゃるように、私は数年に渡る台湾生活を経て昨年中国に移住したわけですが、それから1年が経過し、中国生活は2年目に突入しました。

 

とにかく良いことも悪いことも嬉しいことも悲しいことも、どんどんどんどんやって来てはすぐ去っていきます。私も年を取ったせいか、時間の進みっぷりが恐ろしく速いです。

 

現在これを読んでいる方の大半は20〜30代だと思いますが、皆さんもすぐオジサンオバサンになります。経験者が言うわけですからこれは確かです。ぜひ悔いの残らない生き方をなさってください。

 

この1年間、本当に本当に色々ありました。私は独り身で彼女もいませんし、こちらでは基本的に仕事しかしていないわけですが、仕事上のトラブルが本当に多かったです。人間関係のトラブルもあれば、中国の特殊なコンピューター環境に纏わるトラブルもありました。また、私くらいの年齢になると、親もかなりの年齢になりますし、病気だ介護だと色々と厄介な問題も生じてくるのが常です。そちらの方面でも本当に苦労しました。「海外在住」って、ちょっとだけクールな響きが無いわけでも無い気がしますが、親や親族等は当然日本に残っているわけで、保険や年金の問題も含めて本当に大変だったりします。10代や20代の学生が海外留学したりするのとはわけが違いますからね。

 

まあそれでも、体を壊すことも会社をクビになることもなく発展途上国で1年過ごせたことに関して、今は純粋に嬉しく思っています。会社の同僚たちにも、日本にいる家族にも、私のことを心配して連絡をしてくれた台湾時代の同僚たちにも、ブログやTwitter経由で私にエールを送ってくださった方々に対しても、とにかく今は感謝の気持ちでいっぱいです。

 

皆さん、本当にありがとうございました。
私はまだ修羅の国で生きています。

 

台湾時代を振り返って


実際に1年間住んでみて全ての季節を経験したことで、中国や中国人、中国社会というものがだいぶよく見えてきました。

 

台湾時代を思い出して比較すると、当たり前ではありますが、非常に似ている部分も大きく異なる部分もあります。

 

似ている部分としては、やはり立ち居振る舞いや嗜好ですね。これはもう民族的には同じわけですから当たり前と言えば当たり前です。全体的に言えば、台湾人の方が様々なシーンにおいてマナーは良好だと思いますが、中国でも社会的地位の高い人たちに目をやると、マナーは非常にしっかりしており、欧米人のビジネスパートナーと一緒にいる時とはっきり言って何も変わりません。要は、人口が極端に多い分、何に関してもレンジが広いということなのだと思います。

 

大きく異なる部分は、やはり政治関係というか、治安維持ないし社会システムの維持に纏わる部分です。北京の市街地を歩いてみるとわかるわけですが、とにかく警察官だらけです。天安門等の要所には武装した軍人もたくさんいます。その結果、北京の治安はとてつもなく良好に保たれているそうですが、まあ言うまでもなく、それで本当にいいの?という話になるわけです。

 

他に特筆すべきこととしては、「インターネット検閲」です。ご存じの方も多いかとは思いますが、中国では、FacebookやTwitter、Googleが提供する各種サービスにはアクセスできませんし、中国産のSNSサイトやアプリ等は基本的に検閲可能な仕様となっています。ですからよく「中国にプライバシーは無い」と言われるわけですが、これは確かに正しいです。もっとも、過剰に恐れる必要はなくて、ネット上で中国の悪口を投稿したところで、削除される可能性がある程度で逮捕されたりするわけではないようです。

 

ただその反面、中国経済はゴリゴリの資本主義であり、日本や台湾と何も変わりません。権力は常に金持ちの手の中にありますし、経済界の有力者は政界への影響力も手にすることになります。ですから、本当に政府というか、中国共産党の「ポリシー」のみが日本政府や台湾政府のそれとは大きく異なっているわけです。

 

あとは、もう少し身近な話をすると、中国人の生活はとにかく質素です。遊ぶ場所がそもそもないので、みんな日中は真面目に働いて、それ以外の時間は友人や家族との食事&おしゃべりをひたすら楽しむだけといった感じです。みんなお酒なんかも飲みません。本当にこちらの人たちの生活は地味です。私が台北に住んでいた頃は、台湾人の生活は地味だなといつも思っていましたが、中国人に比べたら台湾人の生活は十分派手と言えるのかなと、今となっては思います。

 

次に現地民の性格に関してですが、中国人は台湾人とは異なり、「余所者」にはあまりフレンドリーではありません。クールというか、そっけない対応に感じる人も多いことでしょう。ただ、それにも裏があって、仲良くなると態度が豹変します。いったん仲良くなると非常に近い距離感で接してくれるようになるので、特に外国人居住者にとっては心強いですし、仕事上ではそういった関係が構築できるかどうかが明暗を分けたりします。

 

中国には荒っぽいというか雑な性格の人も多いので、日本人的にはイライラすることも多いのですが、日本人のように平気で嘘をついたり、思ってもいないことを適当に発言したりすることがないので、そういう素直なところは個人的に気に入っています。日本社会では、ビジネスシーンでも恋愛でも、とにかく腹の探り合いですからね。どちらが良いのか、これに関しては本当に私には何とも言えません。

 

とまあ以上、ざっと書き出してみましたが、北京で1年間暮らしてみた私の感想としてはこんなところかなと。

 

これからのこと


最後にちょっとだけ個人的なことを書いて、今回のエントリーは終わりにしようと思います。

 

ええとですね、、、ぶっちゃけ、海外生活にだいぶ疲れてきました。はっきり言ってしまうと、やはりもう日本に帰って落ち着きたいです。老後のことなんかもそろそろ真面目に考える必要がありますしね。

 

誤解しないでいただきたいのですが、これは別に中国が悪いとか、中国人が悪いとか、現在お世話になっている会社が悪いとか、そういうことではありません。そうではなくて、「日本人は日本にいるのが自然」というごく当たり前の文言が最近よく頭に浮かぶようになったのです。

 

だいぶ長く海外で暮らしてきたわけですが、私にとってはやはりそれは「冒険」でしかなかったのかなって。うまく表現できないのですが、やっぱり「普通」とか「当たり前」とは大きく異なっていたのかなって。

 

別に人生は必ずしも普通である必要はないし、生涯現役の冒険家として生きるのも悪くないと思います。ただ、例えば中国人を見ていると、教育のせいなのかみんな愛国心がすごいんですよね。中国人に生まれたことを誇りに思っている人が本当に多い。元々私は右寄りなので、彼らに私の愛国心が刺激されてしまったのかもしれません。やっぱりここは俺がいるべき場所ではないよなと。

 

それなりに風変わりな人生を歩んできたことだけは確かだと思うので、自身の経験が活かせるような仕事が日本で見つかるといいな、、、そんなことばかり考えている今日この頃です。