元台湾在住サラリーマンの徒然なる日々

かつて台湾に数年間住んでいた日本人サラリーマンが綴る雑食系台湾ブログ。ご連絡はTwitter(https://twitter.com/superflyer2015)経由でお願いします。

「桃園メトロ(MRT)空港線」の運賃(の上限)が発表されました

台北メトロ(MRT)


結構安いので、競合するバス会社にとっては悲報かもしれません。

 

「桃園メトロ(MRT)空港線」の運賃(の上限)


来年の3月までに開業することが決定している「桃園メトロ(MRT)空港線」の運賃の上限がこの度発表されました。

 

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まだ正式な運賃は発表されていませんが、台北駅から台湾桃園国際空港までは最高でも160元(現在の為替レートで約570円)になるそうです。最近はトランプ効果で急激な円安が進んでいますから、日本円でいくらかというのを正確に表現するのは難しいのですが、アメリカ大統領選挙の少し前の円高が進んでいた頃は1元=約3.2円でしたから、160元は約510円、昨年夏の円安がすごく進んでいた時期は1元=約4円でしたから、160元は約640円となります。ということで、日本人としては、500円〜650円程度なのだと思っておけば良いのではないでしょうか。

 

高いのか? 安いのか?


この価格設定ですが、「高速バスよりは高い」かつ「台湾新幹線(高鐵)を使用するよりは安い」設定となっています。台北市内から出ている桃園空港行きの高速バスよりは高いけれど、台北駅から桃園駅まで新幹線で行きそこからバスで空港に向かうルートよりは安いということです。

まず、先に個人的な感想を書いておきますが、これは「かなり安い」と言ってよいのではないかなと思います。結論としては、「台北駅出発(到着)でもOKなら、これ以外の選択肢を選ぶ理由がない」ということになるかなと。

まず、桃園メトロ空港線が開業したら、新幹線ルートを選択する理由はほぼ完全に消滅します。乗り換えに要する手間や時間をを考えると、一切メリットは無いからです。新幹線なら南港駅まで行けるメリットがあるような気がしなくも無いのですが、南港区を旅行者が訪れる理由など基本的には皆無だと思われます。

次に競合する高速バス(客運)に関してですが、とりあえず台北駅出発(到着)でOKなら(多くの旅行者の方はそれで問題ないと思われますが)、空港線を利用するのが得策だと思います。多くの方が利用する国光客運の運賃が125元(約450円)ということで差額は僅かですから、安全面を考えたら空港線を選ばない理由はない気がします。

高速バスを選択する状況としては、やはり「台北駅出発(到着)が便利ではない場合」でしょう。桃園空港-台北市街地間の高速バスルートはバラエティーに富んでいて、例えば有名な大規模ホテルであれば、ホテルの目の前にバス停があることが多いです。そういったケースでは、台北駅を経由するのは不便ということで、今後も高速バスを利用する人はそれなりの数を維持するような気がします。ただ、、、そう思いつつも、特に日本人に関しては、近年日本で高速バス関係の死亡事故がいくつもありましたから、わざわざ台北駅を経由してでも空港線を使おうとする人は少なくないような気もします。とりあえず私だったら迷わずそうします。

 

もっと高く設定しなくて良かったのか?


利用者の立場としては安いに越したことはないのですが、新幹線や高速バスとのバランスを考えると、個人的にはもっと高く設定するべきだったのではないかなと思います。

なんでも、交通部(日本の国交省に相当)が制定している運賃計算式を用いて運営コストのみを基準にした場合、台北駅-桃園空港間の運賃は270元(約960円)と算出されるそうなのですが、そのくらいの額で全く問題なかったのではないかなと。つい最近、私は桃園空港から台北市街地までタクシーで移動しましたが、特に渋滞等もなかったにも関わらず1,220元(約4,350円)もかかりましたから、270元という金額はすごくちょうどいい感じの額に思えるんですよね。「4人でメトロに乗るくらいなら、タクシーでもいいかもね」なんて感じになるわけで、バランスが良い気がするのです。台北市における一般的な給与水準は、大雑把に言えば東京と比べて半分くらいですから、日本人にとっての1,000円は地元民にとっては2,000円くらいの価値ではあるけれど、そもそも本当に経済的な余裕のない人は海外になんか行かないし、出張であれば会社から全部出ますからね。利用者数の確保を過度に心配する必要はないような気がします。多分、新幹線の事例があるからなのだと思いますが、そっちには明らかに別の深刻な「理由」がありますから。

 

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とまあ、門外漢が余計なことを書いてしまいましたが、これは既に決定した話ですから、個人的には素直に「安くてラッキー」と思って、開業後は空港線を積極的に利用したいと思っています(笑)

 

おまけ


桃園空港から台北市街地までのアクセスを便利にする目的というのは、やはり何と言っても外国人旅行者へのアピールだと私は勝手に想像しています。ぶっちゃけ、地元民は基本的にみんな高速バスを使いますし、バス嫌いな人はタクシーを使っています。とりあえず私の周囲の台湾人を見ている限り、みんなそこまで空港線を必要とはしていないような気がします。まあ、「ないのが当たり前」な環境でずっと生きてきたわけですから、当然と言えば当然です。

そこで私には、いきなりですが、今このタイミングで、日本人として声を大にして言いたいことがあります。
それは、「日本人旅行客を増やしたいのなら、もう一つだけどうしてもやってほしいことがある。それは空港内のトイレの改善だ!」です。

 

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桃園空港にあるトイレ(の一部かもしれませんが)は正直なところ、私にはかなり厳しいものがあります、、、

私は普段主に日本では羽田空港を使っていますが、あそこの国際線ターミナルにあるトイレなんてもう本当に素晴らしいですよね。新しいメトロを作るコストに比べれば、トイレの整備に必要なコストなんて誤差みたいなものでしょうから、台湾政府のお偉いさんたちには、ぜひそのあたりも何とかしていただきたいなと。

あと、ついでに書いておきますが、台湾の男性たち(女性に関しては私は知りません)はもう少し公共の場所にあるトイレを綺麗に使用して欲しいです。ぶっちゃけ、個室にある便座が汚れていることが多過ぎます。普通に使用したら、どう考えても便座の上なんて汚れませんよね? いったいみんなどんな使い方をしているのでしょうか? 考えられることはただ一つ、個室ではない方が混んでいる時に個室に入り、便座を上げずに立ったまま用を足しているということです。本当に信じられないような話ですが、私はこの国で何度も何度も黄色い液体で汚れた便座を見てきました。

まあでも、そう考えると、トイレを整備したところであんまり意味はないのかもしれませんね、、、そういう問題ではないということなのかもしれません、、、

そう言えば、過去には道路の脇の排水溝で、幼女に排泄させているおばあさんを見たこともあります。。。

みんな幼い時に、排泄の仕方を親から教わるわけで、ああするべき、こうするべき、と躾けられるわけです。それって、本人が今後生きていく上で必要な知識であるというだけではなくて、そういった「教育」は、ひいては国そのものの質をも左右することになったりするのかも、、、なんて私には思えてなりません。

さて、では、現在の日本では、教育に関して十分な質が維持されているのでしょうか?
、、、とまだまだ書きたいことはありますが、話が逸れ過ぎましたので、ここで筆を置くことにします。ここまでお読みいただき、ありがとうございました。