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台湾在住サラリーマンの徒然なる日々

飛行機とお酒と夜景が大好きな台湾在住サラリーマン。日々の生活の中で感じた取り留めもないこと、現地在住者ならではの観光情報などについて発信していきたいと思っています。(Twitter: @superflyer2015)

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蔡英文氏率いる民進党勝利による政権交代

日本のメディアでも大きく取り上げられたそうで、既にご存知の方も多いかと思いますが、台湾で先週土曜日に行われた「2016年中華民国総統選挙」にて民主進歩党(民進党)及び党主席の蔡英文氏が大勝利をおさめ、政権交代が確実になりました。

今回は、「台湾の人たちが実際に考えていること」に主眼をおいて、実際に私が台湾の人たちから聞いたことをお伝えしたいと思います。

 

国民党 vs 民進党


まず、中国国民党(国民党)と民主進歩党(民進党)に関する基本的な歴史に関する知識を前提としたいと思いますので、詳しく知りたい方は、まずWikipediaの該当記事、


あたりを読んでいただけると理解が進むかと思います。

特に国民党に関しては非常に複雑な歴史を持っていて、政治的な理念も歴史の中で何度か大きく変わっていますから、「こういう政党だ」と一言で表現するのは非常に難しいです。ただ、現在のみにフォーカスを当てて言うのであれば、「親中国保守政党」だとか、荒っぽい表現をすれば「右翼」と言ってもいいかもしれません。あくまで台湾と言うか、「中華民国として」の話です。気をつけていただきたいのは、「保守政党」と聞いてすぐに日本の「自民党」をイメージするのは間違いです。国民党政府というか、中華民国政府が台湾に逃げてきた時点ではいわゆる「軍事政権」ですし、当時にももちろん「もともと台湾に住んでいた人たち」というのがたくさんいたわけで、連中からしたら間違いなく外国人ですから。その点、日本は世界史の教科書を見ればわかる通り、ずっと「日本」であり、「保守」と言った場合の意味合いが違います。あくまで「中華民国政府」として保守的だという意味なのです。

次に民進党に関してですが、一言で表現するならば、「国民党に反対する人たちで作った野党」、荒っぽく言えば「左翼」ということになります。またもっと荒っぽい表現を使うのであれば、「台湾独立派」ということになります。これに関しても、日本人が「左翼」と聞くとすぐに安保法案に反対する日本(日本人ではない方々も混じっているようですが)の低能学生集団「SEALDs(シールズ)」などを思い浮かべるわけですが、そういった方向性とは全く関係ないので、いったん日本のことは忘れてください。ここで言っている「左翼」というのは、「共産主義に対する抵抗」に近いニュアンスであって、荒っぽく言えば、日本で言う「左翼」は「民主主義に対する抵抗」ですから、逆みたいな感じですね。
元々民進党は「台湾独立」を掲げていたのですが、最近はもう少しマイルドになり、「独立を目指すも何も、既に台湾って独立した国家じゃん!」ってなことを言っています。

 

台湾の人たちが考えていること


それでは、自分の周りにいるいろんな台湾人から聞いた話を簡潔に紹介することにします。
(*この部分まではあくまで中立的(ニュートラル)な視点で書くことにします。そして最後に私個人の考えを紹介することにします。)

まず、国民党支持者に関してですが、やはり「外省人」もしくは親が中国人という人が多いです。主な意見としては、「もともとの民族的起源は同じであり、文化も使っている言語も同じなのだから、中国とは別の国だなどと主張することには違和感がある」、「現状経済的に中国とは強いつながりを持っていて、人の行き来も極めて盛んなわけだから、仮に独立などしてもメリットは全くない」、「中国は共産主義と言われているけれど、実質的には資本主義に極めて近く、台湾人の多くが望む民主主義と方向性はそもそも一致している」といったような内容でした。つまり彼らは、「台湾は中国の一部である」と考えていて、人によっては中国と完全に一つになるべきだと考えているわけです。

次に、民進党支持者に関してですが、やはり「本省人」もしくは中国嫌いな人が多いです。主な意見としては、「元々原住民がいた台湾に中国人が押し入ってきて作ったのが中華民国であり、台湾は全く別の国」、「台湾人はアメリカのような民主主義国家を目指しているのであり、共産主義国家である中国とは方向性が明らかに異なる」、「諸外国との外交上の政策が中国とは大きく異なるため、中国の一部だと考えるのは明らかにおかしい」といったような内容でした。つまり、彼らとしては、「中華民国」として独立したいわけではなくて、中華民国という名前は捨てて、「台湾」という国名で独立したいわけです。もしくは、「そもそも現時点で既に台湾は独立国家として存在している」と考えているのです。

ついでに、日本の立場もちょっとだけ書いておきましょう。まず明らかな事実として、現在日本政府は台湾を国家としては認めていません。台湾人が日本で留学する際などに日本政府から公式に何らかの書類を発行してもらう場合、国籍欄には「中国」と書くことが求められます。「このことがとにかく悔しくて仕方ない!」と言っている台湾人の話をよく耳にします。日本政府は蔡英文氏におめでとうと言っているわけですが、やはり中国との経済的結びつきも非常に強いため、なるべく「中国と台湾の間で揉め事は起きないで欲しい」というのが本音でしょうね。

 

私の考え


では最後に、私の個人的な考えを書いておきます。
まず結論を先に言うと、「現状で既に台湾は一つの独立国家だと考えている。ただ、中国軍部にいる強硬派はやはり怖いから、現状を維持しつつ、諸外国が次第に国として認めていく形で、時間をかけてゆっくりと受動的に独立していって欲しい。」です。
私の場合、台湾に住みつつ、たくさんの中国人とも一緒に仕事をしていて思うのですが、台湾の人たちは「自分は台湾人だ!」というけっこうはっきりとした自覚を持っていて、さらに、これはまた別の記事としていつかあらためて書く予定ですが、台湾人と中国人ではけっこう性格やものの考え方が違うように思えてならないんです。どちらがいいとか悪いとか、そういう意味じゃなくて、とにかく質的に「異なる」んです。もちろんこれはすごくざっくりとした話で、例えば、中国人みたいな日本人(もしくは、日本人らしくない日本人)だって最近は増えていると思います。とにもかくにも、実際に住んでいる私には、「そりゃここが中国だなんて言われたら違和感ありまくりだよな〜」と純粋に思うのです。

ちなみに、中国嫌いな日本人はめちゃくちゃ多いわけですが、一般市民の性格だけ比べたら、最近の日本人よりもマシだと私は思いますけどね、、、
かつての日本人の中には非常に魅力的な人が多かったような気がしますが、最近日本でホットな話題と言ったら、「スケベッキーとゲスキノコ」、「芸能界のヤクザにオッサンアイドル奴隷5人組」、「ブラックバス会社の奴隷が道連れにした上級国民の子供たち」などなど、昔の日本人が特に大切にしてきた「倫理」や「道徳」の欠損が招いた吐き気がするような話ばかり。
ちなみに、個人的には、中国人の嫌なところというのは、時間にルーズなところとか、「まあ、細かいことはどうでもいいじゃん〜」みたいな感じで仕事が少し雑だったりするところです。ただ、最近は、日本人でも時間にルーズな人とかドタキャンすぐする人とか、仕事が雑な人とか、増えていると思いませんか?
もちろん、私はこのブログを通して日本人をディスりたいわけではなくて、「外」に住んでいると日本人を客観的に見ることができるようになりますから、「日本人の素晴らしさ」って何だろう?と自分に日々問いかけつつ、その素晴らしさというか、日本人としてのアイデンティティを大切にしていけたらいいなと思っています。

最後に、台湾における今回の選挙における民進党の圧勝は、もしかしたら歴史に残る非常に大きな帰路となるかもしれませんし、案外何も変わらないのかもしれません。重要なのは、選挙に勝った連中(つまり、勝利した国民の代表者たち)が今後何をするかです。
日本にも台湾にも中国にも同僚がいて、日々みんなに感謝しながら暮らしている一人の外国人として、今後の台湾における政治経済の動向に注目したいと思っています。