元台湾在住サラリーマンの徒然なる日々

かつて台湾に数年間住んでいた日本人サラリーマンが綴る雑食系台湾ブログ。ご連絡はTwitter(https://twitter.com/superflyer2015)経由でお願いします。

「安倍マリオ」から考える「クールジャパン」の本当の姿。なぜAKB48やEXILEではダメなのか?

日本


最近、日本で「安倍マリオ」というなんともエキゾティックな名前のものが話題になっているそうです。

 

「安倍マリオ」


私は元々スポーツが大好きだったのですが、今回ロシアのドーピング問題が話題になったように、近年のスポーツには「科学」が入り過ぎていて、うまく言葉では表せない違和感のようなものをずっと感じ続けてきました。インターハイや国体、JO(ジュニアオリンピック)などに出場するレベルの選手になると、中学高校の部活や専門のスクールなんかでも積極的に科学トレーニングを取り入れたりしていて、個人的には「スポーツって、こんなんだっけ?」とつい思ってしまうのです。一応私もかつては、オリンピック種目になっているある競技で全国大会に出場する程度には一生懸命取り組んでいましたが、早い段階で辞めたのにはそういった理由もありました。

ということで、東京オリンピックも税金の無駄遣いだなと思っていましたし、今回のオリンピックも特にテレビ観戦すらしていませんでした。しかし最近「安倍マリオ」というのが日本で話題になっているという話を耳にしまして、あまりにも普通でない言葉でしたら、気になってGoogle検索をしてみました。某芸人は普段ヤッホーで調べると言っていましたが、私は普段ゴーグルを使っています。

そこで今回の閉会式でのプレゼンテーションのことを知り、以下の動画を見てみました。

 

【NHKリオ】2020へ期待高まる!トーキョーショー - YouTube


もう「なんじゃこれっ!!!」と会社のオフィスで叫びそうになってしまいました。素晴らしいとしか言いようのない出来ですね。非常に気持ち良いBGMに美しい映像。そして「MA(RIO)」。赤い日の丸ボールを受け取った瞬間の安倍総理が特にかっこよくて、「国のトップともなると、ルックスも大事なんだな」とあらためて思ってしまいました。ここでは政治に関しては触れませんが、とりあえずオバマさんだってプーチンさんだって、ルックスからもカリスマ性を感じますからね。次は石破さんだそうですけれど、、、まあその話は今回はやめておきましょう。

あまりにもテンションが上がってしまい、残業中だった同僚に見せたところ、「日本人はいいわね。日本には日本人しかいないから、いつもそういう独特の一体感があって。」という何ともユニークなコメントをもらいました。ちなみに、彼女は中国嫌いな台湾人で、台湾独立運動の支持者です。

 

椎名林檎と中田ヤスタカ


それにしてもゾクゾクするような素晴らしい音楽だな、と思ってちょっと調べてみたのですが、音楽は椎名林檎氏の監督の下、中田ヤスタカ氏が担当したそうですね。

そりゃ質が高いわけだ。

私は二人のファンです。音楽が特に好きになったきっかけは彼女の名曲「本能」だし、日本にいた頃はPerfumeの曲が大好きで彼女たちのコンサートにも行ったし、渋谷のクラブに中田氏のプレイを聴きに行ったりもしました。彼がDJとして演奏する時の姿をほとんどの人は見たことがないかと思いますが、彼の演奏を聴いてしまったら、他人の曲を少し弄って流すだけの他のDJたちのプレイなど本当に無価値に思えてきます。そのくらい格が違います。まあ見た目はものすごくチャラそうですし、女好きらしいのですが、男ならみんなそんなものだし、私が興味あるのはあくまで彼の音楽だけなので問題ないかなと。

とにかく4年後もこの二人に担当していただきたいですね。いろいろと利権が絡んでいるのでしょうが、変な連中に出てきてほしくないなと、本当に切に願います。

 

「クールジャパン」の本当の姿


今回のプレゼンテーションを見て思ったのですが、こういうのがまさに「クールジャパン」なのではないでしょうか。

アニメや漫画も日本が世界に誇る立派な芸術作品だとは思いますが、どう考えてもそのもの自体は「クール」ではないと思うんですよね。

例えば漫画に関して言えば、私ももちろん子供の頃は読みましたが、大人になってからは一切読んでいないし、漫画というのはそういう位置付けのものだと思っています。
アニメに関しては、ラノベ(ライトノベル)が流行り出した頃から明らかに「大人向け」の作品が増えて、登場人物も胸がやたらと大きな中高生の女の子ばかり。こんなものが「クール」なはずがありません。私も昔はアスカ可愛いなとか、長門可愛いなとか思っていましたが、大人になったらやはり3次元世界を楽しむのが普通でしょう。

その点、やはり今回の映像作品のようなものはクールです。とにかくかっこいいし、絶妙に織り交ぜられた「和」のテイストが本当に美しい。

例えば、「色」一つとってみても、日本人の色彩感覚は非常にユニークだと思います。今私がいる台湾では、「赤」は特別な色であり、旧正月の時の飾り付けはほとんどが赤い色をしています。ただ、日本人が好む「赤」とはほんのちょっと違うんですよね。色そのものが違うのか、色の使い方が違うからなのかわからないのですが、あの日の丸の赤とは違うのです。

何が言いたいのかというと、せっかく「クールジャパン」というある種の政策を進めるのであれば、かなり高い次元で成立させて欲しいなとつい思ってしまうのです。
台湾の人たちに日本のことを話す時にいつも思うのですが、「和を解する」って結構難しいことですよね。でも、明らかにユニークな何か、が確かにそこにはあるし、今回のような作品からも伝わってきます。もしかしたら、クールジャパン政策というのは、我々日本人が自らを見つめ直す機会を与えてくれる大いに意味のあるものなのかもしれません。

 

なぜAKB48やEXILEではダメなのか?


今回のプレゼンテーションに関して、ネット上には「AKBやEXILEじゃなくて良かった」という安堵の声が溢れています。しかしながら、AKB48やEXILEが現在の日本におけるトップアーティスト(本当は安易に「アーティスト」という言葉は使いたくないのですが、、、)であることは間違いありません。なぜ彼らではダメなのでしょうか?

まず、AKB48に関しては、あまりにも俗っぽくなり過ぎてしまっていて、日本人が大昔から大切にしてきた「品」が完全に欠落してしまっているからではないでしょうか。卒業したメンバーがAV女優になったり、トップメンバーが雑誌のセックス特集に出たりしているわけで、やはり日本人としては、推したくても推せないのではないでしょうか。なぜみんなそんなにまで脱ぎたがるのか、私にはどうにもこうにも理解できません。

次にEXILEですが、私と全く同じ考えの人をネット上で今回見つけました。
「ヤクザみたいで怖い」
鍛え抜かれた体に黒い肌、黒いサングラス。そんな集団が近付いてきたら絶対に逃げますよね普通。典型的な日本人の容姿とはかけ離れているわけで。そういった人たちを「日本の代表」として推せるわけがありません。私は一時期、三代目 J Soul Brothersの「Summer Madness」という曲が気に入って何度も聞いていましたが、どんな歌詞だったのか、そもそも歌詞があったのかすら今では思い出せないし、つまるところ、優秀なのは彼らではなくてAfrojackなんですよね、、、

 

まとめ


とりあえず、まだ日本には価値がある、ということなのではないでしょうか。
人の心を直接揺さぶる今回のような作品がまだ生み出される国であるということです。

4年後東京でオリンピックが開催されることは確定しているわけで、多額の血税がそれに注がれることも既に決まっています。であれば、せめていいオリンピックになったらいいなと純粋に思います。

私も今、なるべく早い段階で東京に戻れるよう、いろいろと準備を進めているところです。
海外で数年間生活をしてみて、日本の良いところも悪いところも客観的に見つめられるようになったような気がします。

そんな一人の人間として思うのですが、やっぱり美しい国ですよ、日本は。今後も日本がそういう国でいられるかどうかは、我々が次の世代にバトンを渡せるかどうかにかかっているのではないでしょうか。