元台湾在住サラリーマンの徒然なる日々

かつて台湾に数年間住んでいた日本人サラリーマンが綴る雑食系台湾ブログ。ご連絡はTwitter(https://twitter.com/superflyer2015)経由でお願いします。

なぜ台湾を訪れる日本人男性のマナーは悪いのか?

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今回は台湾を訪れる日本人男性の特徴について考察してみたいと思います。

 

きっかけ


私は情報収集(&ブログ更新情報の発信)のためTwitter(https://twitter.com/superflyer2015)をやっています。当ブログ経由でフォローしてくださっている方もそれなりにいるため、タイムラインに台湾関係のツイートが頻繁に現れるのですが、最近特に「訪台日本人男性に対する批判・愚痴ツイート」をよく見かけます。

 

内容的には、簡潔にまとめると以下のようなものが多いです。

 

  • MRTの車内で大声で話していてうるさい日本人男性数人のグループがいた。
  • 夜市でしつこく値切り交渉をする日本人男性がいて、店員さんが困惑していた。
  • LCCの台湾便機内で酒盛りをしている日本人男性のグループがいて非常にうるさかった。
  • 観光地で堂々と台湾の悪口を言っている日本人男性のグループがいて不快だった。
  • 街中で大きな声で風俗について話している日本人男性のグループがいて不快だった。


元在住者としては、「そんなの日常茶飯事だったけど?」という感じで特に驚きはないのですが、やはりこういったブログを運営している以上、警鐘を鳴らすのも私の役目だと思いますので、今回は「なぜ本来マナーが良いはずの日本人(当記事では男性に限定)が台湾に来ると下品になるのか?」という部分に焦点を当てて考察してみたいと思います。

 

台湾に対するイメージ


台湾という国に対するイメージほど人によって差が出るものもそうそうないような気がします。

 

「???」となったあなたは多分30代以下なのではないでしょうか。中高年、特に男性の中には、あまり現代的ではないイメージを持っている方も少なくないかと思います。

 

何を言っているのかというと、そういった世代の男性陣にとっては、「慰安旅行で訪れる場所」というイメージがまだまだ残っているように思えてならないのです。実際のところ、ブログ経由で私を知った方から、「同僚数人と台湾を訪れる予定なのですが、夜のお店について教えてもらえませんか?」なんていう問い合わせがこれまで結構な数ありました。

 

言うまでもなく、現在台湾では風俗、つまり性サービス業は全て違法ですから、何でもありの日本と比べてそういった方面はかなりクリーンです。しかし、かつてはそうではなくて、日本人サラリーマン専用と言っても過言ではないような歓楽街があって、性サービスの売買も当たり前という時代がありました。台湾は日本から地理的に近く短期滞在が可能ですし、歴史的な背景もあって日本語が話せる現地人も多い為、サラリーマンが色んな意味で癒されに行くには最適とも言える場所であったわけです。

 

ただ、これはあくまで私自身を含めた「オジサン」が抱くイメージであって、例えば若い日本人女性などは全く異なるイメージを持っています。おそらく、台湾ほど「海外一人旅」の行き先として日本人女性に人気がある場所は他にないのではないでしょうか。特に近年はちょっと尋常ではないくらいの人気ですね。私は何年も台北で暮らしましたから、もちろんその理由はよくわかります。治安が(体感的には)日本以上に良好で、現地の人たちの性格もフレンドリーで穏やかな雰囲気が街全体を包んでいますから、あの空気感にハマって毎年何度も訪台する日本人女性が後を絶たないわけです。

 

そして実は、冒頭で挙げたような内容の批判・愚痴ツイートをしているのはそういった女性たちなのです。大好きな場所だからこそ、変な男どもに踏み荒らされるのが嫌なのでしょう。もちろん同胞として恥ずかしいという気持ちもあるでしょうしね。私にとって台北は東京に次ぐ第二の故郷ですから、そういった方達の気持ちは非常によく理解できます。ですから、今もこうしてせっせとブログ記事を書いているのです。

 

もう一つの理由


しかしながら、以上の考察だけでは十分でないと今の私にはよくわかります。私は一昨年に台湾を離れて以降、中国でも1年半ほど暮らしたのですが(現在は帰国し東京で暮らしています。日本に帰ってきました - 元中国在住サラリーマンの徒然なる日々)、その経験によって理解できた気がすることがあるのです。

 

それは、「日本人男性は他のアジア人を見下している」ということです。

 

例えば、LCCの台湾便の機内で酒盛りをするような日本人男性は、ライアンエアーやイージージェットの機内で同じことができるでしょうか?

 

台北の街中で大きな声で騒いでいるような日本人男性に問いたいのですが、パリの街中で同じことができるでしょうか?

 

みんな要は、「ここなら許される」と思い込んでいるわけです。そして、この感情の背景にはアジア人蔑視があるように思えてならないのです。もちろん、私は今これを勝手な想像や思い込みで書いているわけではなくて、露骨にそういったことを口にする日本人男性もたくさん見てきました。

 

私はアジア人蔑視をする白人も仕事柄たくさん見てきましたから、何も日本人男性だけが異常だなんて思ってはいません。ただ、人間という生き物はどうしても「自分より格下の存在」を欲するのだなと、そんな「真理」を目の前にして何だかなといつも思うのです。

 

日本人として


海外旅行をする者は皆ある意味外交官みたいなものです。どこに行こうと、とりあえず品良くありたいものだなと少なくとも私は思っています。

 

海外旅行の際には、やはり誰しもテンションが上がるものです。親しい友人と一緒ならおしゃべりも弾むのが普通でしょう。ただ、やはり会話時のボリュームや内容に関しては若干の配慮が必要です。

 

台湾にはしゃべれはしなくても、単語レベルで日本語を知っている人がたくさんいますし、日本や日本人、日本の文化に対して憧れを持っている人もまだまだ多いです。そういう人たちを失望させるべきではありません。

 

あとは、男性諸君に言いたいのですが、台湾は「タイ」とは違います。何度もしつこく繰り返しているわけですが、全部「違法」です。TwitterやLINE等のSNSを利用して仲介をしている業者がたくさんいますが、そういうのマジでやめた方がいいですよ。ぜひ日本等の合法な国で堂々と遊んでください。

 

また、夜市で値切るなんていうのもお願いですからやめてください。どう考えても既に底値じゃないですか。東南アジアなんかだと、ディスカウント前提でふっかけた値段が明記されていることがあったりしますが、台湾には基本的にそういうのはありません。

 

どこの国にも本当に色んな人がいるわけですが、「礼儀正しく親切な日本人」という印象を維持できるかどうかは旅行者一人一人の行動や言動に強く依存しています。

 

終わりに


今回は随分と説教くさい内容になってしまい申し訳ないのですが、私は思うんですよ、日本人に対する良いイメージを保った方が絶対にメリットがあると。

 

この辺は賛否両論あるので書きづらいのですが、私が思うに、相対的に言って間違いなく日本人男性は台湾ではモテます。ただ、それはやはり「日本人に対するイメージが良いから」だと思うのです。現に、台湾人女性と結婚する日本人男性は多いです。私の知り合いにもたくさんいます。ただ、今後日本人に対する印象が悪くなれば、もちろん台湾の人たちの意識も変わることでしょう。

 

在住時、「日本を訪れた際に、塩対応だった店員さんが自分が中国人ではなく台湾人だとわかった途端に優しくなった」なんて話をよく台湾人の友人知人から聞きましたが、それだってやはりマクロなレベルの「印象」に強く依存しているわけですしね。

 

とまあ、そんなわけで、兎にも角にも台湾は本当に素晴らしい国です。ぜひ何度も何度も訪れてください。そして、現地では品良く振る舞いつつ、あの温もりに満ちたピースフルな空気感を楽しみましょう。人と人との繋がりが希薄になった現代日本。台湾には我々が失ってしまったとても重要な何かがまだ残っている気がします。