元台湾在住サラリーマンの徒然なる日々

かつて台湾に数年間住んでいた日本人サラリーマンが綴る雑食系台湾ブログ。ご連絡はTwitter(https://twitter.com/superflyer2015)経由でお願いします。

「旅行をしなくなった日本人」vs「旅行大好き台湾人」

10日くらい前に投稿した記事で、「最近の日本人は旅行に出かけないようだ」と書いたところ、それに関してツイッターで意見を投げかけてくれた方がいらっしゃいました。日本で暮らす若者の生の声として非常に興味深いなと思いましたので、今回は備忘録も兼ねて、それに対する私の考えを少し書いてみたいと思います。

統計データ等を調べたわけではありませんが、どうも最近の日本人は国内国外問わず、あまり旅行に行かなくなったような気がしますので、ここではそれが正しいと仮定して、その理由について考えてみたいと思います。

 

「お金がない」


まずその方が挙げてくれた理由の一つは「旅行に行くお金がない」、「将来何があるかわからないからお金を貯めておきたい」というものです。

もう現代人にとって「お金がない」は口癖みたいなものですよね。私も毎日のように言っていますし、よく聴く曲の歌詞の中にも「make money~」というフレーズが頻繁に登場します(笑)

まず、みなさんもいろいろとご意見をお持ちだとは思いますが、「日本」というレベルで言えば間違いなく現在景気は悪くないのだと思います。大企業に勤めている友人数人に聞いてみたところ、みんな「いい感じ」だそうです。大企業の内部留保がとんでもない額に膨れ上がっているという話は皆様も聞いたことがあるのではないでしょうか。

しかしながら、そういった社会における「勝ち組」たちを除けば、景気がいいどころか可処分所得は減る一方で、質素倹約で慎ましく生活している方も多いかと思われます。要は社会というか日本国民は二分しつつあるわけです。「貧富の差」という言葉はだいぶ前からとにかくよく引っ張り出されてきたわけですが、その差はものすごい勢いで広がっています。

という事実を踏まえた上で、私の勝手な意見をここに書いておきたいと思います。

まず、大学生に対して言うとしたら、
「生活費はとことん削って、貸与型奨学金は満額借り、バイトもいっぱいして、できる限り長くたくさん海外旅行に行くべき。その経験は後々あなたを勝ち組へと導く可能性が高い。」

20代のごくごく標準的な会社員に対して言うとしたら、
「毎月手取りの10%は貯金にまわし、余ったお金はとにかく海外旅行と婚活に使うべき。あなた自身の価値を上げることに寄与しないことにはお金を使うべきではない。」

30代のごくごく標準的な会社員に対して言うとしたら、
「もし今の自分の人生に不満があるのであれば、何とか少しお金を貯めて、発展途上国に旅行に行ってみるべき。大きく変わるためのヒントは多分そういったところにしかもうないと思われる。」

あくまでちょっと変わった日本人が勝手なことを書いているだけですから、ぜひ深刻に受け止めないでください(笑)

私はいつも思うのですが、みんな金がない金がないと言いつつ、くだらないことにお金を使っている人が多いような気がします。私の知り合いにも、パチスロにハマって数百万円使ったとか、フィリピンパブに毎週通って貯金ゼロとか、地下アイドルにハマったとか、好きなアーティストがいてツアーは全部回るとか、ソシャゲのガチャで月3万使っているとか、そういう人がたくさんいます。全てに共通するのは、「その支出が本人の価値を上げるきっかけになる可能性はほぼゼロ」だということだと思います。40歳以上の人がそういうのにお金を使うのは大いに結構なことだとは思うのですが。

旅のいいところは、やはり何らかの「気づき」が得られる可能性がある点だと私は思っています。人生を「よりいい感じに生きる」ためのヒントで溢れているのです。毎日同じような日々を生きていると、とにかく刺激が足りなくなって、頭がボケてきます。かといって、自分の気合だけで何か切り開こうと思っても難しいから、自動的に刺激のシャワーを浴びることのできる海外旅行がオススメなのです。

 

「国内旅行でどこに行っても中華系の外国人だらけ」


次に国内旅行に関してですが、冒頭で登場した方が二点目に挙げてくれた理由がこれです。「国内どこに行っても中華系の人だらけで、行きたいと思えない。以前箱根に行ったら、そういう人たちばかりで興ざめした。」

まあ気持ちはわかりますよね。私が経験したことを少し書くと、数年前、大分県の由布院にある旅館に滞在した際など、露天風呂に入っていたら、ゴツい一眼レフを持った中華系の男性(しゃべっていた言葉から推測するに多分台湾人)が入ってきてドン引きしましたし、中華系に限らなければ、例えば昨年京都であまり有名ではないけれど実はすごく価値のある某寺院を訪れたところ、白人バックパッカーだらけですごく興ざめしました。アホみたいにデカイバックパック背負って写真を撮りまくる姿はああいう場所では見たくなかったです。ああいう場所で価値のあるものは、写真には写らないんですよ。

ただ肝心なのは、そんなことを言う日本人が増えて国内旅行をする人が減れば、もっともっと日本の観光地や地方は外国人だらけになるだろうということです。旅先で外国人を見かけるのは極めて普通なことだと思うけれど、その比率があまりにも高いと、個人的にはなんかちょっと気持ち悪いです。先日私は宮崎に旅行に行ってきましたが、空港でもホテルの中でも中国語がけっこうな頻度で聞こえてきました。またそれとは別に、人がいないことによる静けさが何だか寂しく感じられる瞬間も何度かありました。あれだけ大きなホテルなのに、ホテル内のレストランはガラガラ。シャトルバスもガラガラ。ホテルの最寄り駅は無人駅。JR日南線にも乗りましたが、タトゥーを入れた若者が靴を履いたまま足を席の上に乗せて寝ていて、その隣にはビニール袋で包んだチューハイを啜るオッサン。宮崎駅の周辺も散策しましたが、なんだか寂し気で、バスに乗れば自分以外の全員がお年寄り。もっとも、最近の日本の地方なんて、みんな同じようなものなのかもしれませんが。

先ほどヤフーニュースを見ていたら、消費増税再延期決定の記事が出ていましたけれど、みんなわかりやすい話題にばかり関心を持っていて、日本における本当にヤバい問題は裏でガンガン進行しているような気がします。

 

台湾の人たちは旅行が大好き


とにもかくにも、最近の日本人は本当に旅行に行かなくなりました。みんな様々な理由を挙げますが、どうも私にはしっくりきません。

さて、ではここ台湾ではどうでしょうか?
こちらで暮らしている方であればわかる話かもしれませんが、台湾の人たちは旅行が大好きです。国内旅行で自然が美しい台湾の田舎を訪れる人も多いし、海外旅行に出かける人もたくさんいます。日本旅行も相変わらず大人気ですが、多くの人が既に東京、大阪、京都あたりは訪問済みですから、近年は九州の南部や高山が人気だそうです。

しかしながら、少し前に投稿した記事にも書きましたが、台湾の人たちの平均的な収入は日本人のそれと比べるとだいぶ低いわけで、海外旅行に行くのはかなりハードルが高そうです。いったいみんなどうしているのでしょうか?

あくまで私が周囲の人たちを見ていて感じたことですが、とにかくみんな徹底的に節約して、結構がっつりお金を貯めるんですよね。若い女性なんかでも、食事や洋服にかけるお金を結構ばっさりカットして貯めるし、本業以外に週末はバイトをしたりして、とにかくよく働く人が多いです。

でも、特に台湾の人たちは「ケチ」ではないと思います。お客さんをもてなす時や、親しい人にプレゼントを贈る際などには本当に気前がいいです。「選択と集中」という言葉がありますが、まさにそんな感じです。

その点、日本人の中には、上でも似たようなことを書きましたが、口では「お金がない」と言いつつ、つまらない見栄なんかでお金を無駄使いしている人が多いような気がします。大した稼ぎもないくせに「ユニクロとかあり得ない(笑)」なんて言って、スタバで500円も600円もする砂糖まみれの飲み物を嬉しそうに飲んでいる人の多いこと多いこと。
ってまあ、お金の使い方なんて本人の自由ですから、他人が文句を言ってはいけませんね。食費を削ってでもお酒が飲みたくて仕方ない私も十分いっちゃってると思いますしね。。。

なんだかダラダラ書いていたらわけのわからない記事になってしまいましたが、とりあえず私は、みんなもっと旅に出たらいいのになあといつも思っています。お金使って、お金では買えない価値のある何かを得られることなんて、旅以外にはそうそうないような気がしますしね。

ちなみに実は、台湾の人たちがお金をかける傾向にあるものって、旅以外にもう一つあるんですよ。
それは「カメラ」です。ショボいTシャツ着て、安物の靴履いて、ニコンの立派な一眼レフを持っている人の多いこと多いこと。
冗談ではなく、私は台湾の人たちのお金の使い方というか価値観に関しては、本当に心底感心しています。「人生において大切にすべきもの」をよく理解しているような気がするんですよね。