元台湾在住サラリーマンの徒然なる日々

かつて台湾に数年間住んでいた日本人サラリーマンが綴る雑食系台湾ブログ。ご連絡はTwitter(https://twitter.com/superflyer2015)経由でお願いします。

(交通相「年末には運営させる」)いったいいつになったら桃園メトロ(MRT)空港線は動き出すのか

これまで以下の二つの記事で、近い将来、台湾桃園国際空港と台北市街地を結ぶ予定の「桃園メトロ(MRT)空港線」についての進捗情報(?)をお届けしてまいりました。

 

taiwanlover.hatenablog.com

 

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どうやら最近また新しいニュースが出たようですので、こちらでご紹介したいと思います。

 

年内の開業は絶望的


5月23日、交通部長(日本の国交省に相当する交通部のトップ)が年末にも桃園メトロに運営させるとの考えを示したそうで、これを受けて桃園市長は25日、開通に向けた受け入れ準備を進める旨コメントしたのだとか。

台湾でそれなりの期間暮らした経験のある人なら、台湾人がこういう言い方をした時にどう解釈すべきかは心得ているかと思います。年内の開業はないと考えてほぼ間違いないでしょう。この国では、「○○頃には」とか「○○までには」なんて表現をされたら絶対に信じてはいけません。とりあえずその場しのぎで言っているだけの可能性が極めて高いです。

桃園メトロで調べると車両の写真なんかもたくさん出てくるわけで、だいぶ前から試運転による試験は始まっているようなのですが、その過程で見つかったシステムの不具合がどうにもこうにも解決できないようなのです。交通部、つまりは国が進めているプロジェクトですから、いったい何がこれほどまで長期にわたる遅延を引き起こしているのか不思議なのですが、とにかく前進している感じがありません。

まあ現状、空港と台北市街地を結ぶ高速バスは非常に充実していますし、少し高いけれどタクシーもすごく便利なので、台北市民的には「切望」といった感じではないような気がします。職場で台湾人の同僚に「いったいいつになったら乗れるんだろうね?」と振ってみたところ、「もうあれ関係のニュースには飽き飽きしているわ」と冷たくあしらわれました。

 

コミュニケーション主義な台湾人


よく言われる話ではありますが、ごくごく標準的な日本人からしたら、やはり台湾の人たちは何事にも若干「ルーズ(緩い)」な気がします。先日私の住んでいるアパートで問題が起きて、大家さんに工事ができる業者さんの手配をお願いしたところ、「数日中に手配しておくよ」との返事が。しかし待てど暮らせど業者さんはやってこない。1か月が過ぎてもやってこない。痺れを切らして大家さんにクレームをつけたところ、なんと翌日に業者さんがやってきました。

これから台湾で留学したり働いたりする予定の方がもしいたらぜひ覚えておいていただきたいのですが、こっちの人とは日本以上に密に連絡を取り合った方がいいです。言ったことをけっこう簡単に忘れてしまう人も多いですから、遠慮せずにせっついた方がいい場合が少なくありません。

ただ逆に、私は彼らのルーズさ(?)に助けられたことも何度もあります。私の場合は、特に行政手続きに関してでした。例えば、居留証(在留許可証)の更新の際や、確定申告の際などにはいろいろと必要な書類というのがあるわけですが、私は過去に書類の不備に遭遇したことがあります。もちろん窓口で対応してくれた職員さんからは、「書類を用意して再訪してください」と言われるわけですが、その書類は日本でしか取得できないものであったため、事情を話して説得を試みたところ、なんと申請を受理してくれました。ネット上に書くような話ではないので、詳細は割愛させていただきますが、日本だったら絶対に受理してもらえなかったと思います。

こっちに暮らしていて気付いたのは、とにかく日本は徹底したマニュアル主義だということです。役所の人たちはみんなマシーンみたいです。しかし台湾ではだいぶ雰囲気が違っていて、個々の職員が自らの裁量で判断することが認められているようなのです。日本だと、いかに理にかなったことを言っても、マニュアルに書いていないとアウトなのですが、この国では職員が納得したら認めてもらえる場合もあるようなのです。日本とは「交渉の余地」みたいな部分でかなり差異があるように感じます。

こういう部分を知ってしまうと、こっちでの生活がなかなか心地よく感じられるようになったりするんですよね。関連した話としては、例えば飲食店なんかでは、日本以上に「○○(特定の材料の名前など)は抜いてほしい」とか、「もう少し○○してほしい」なんていう日本だと少し躊躇われるようなお願いでも気軽にすることができます。とにかく日本よりも人と人との距離が近くて、日本社会が「マニュアル主義」なら、台湾は「コミュニケーション主義」と言えるような気がします。もちろん、前者の方が好きだという人もたくさんいるとは思いますが。

ただそうは言ってももちろん限度はありますし、調子に乗って強引なことをやって、メディアで笑い者にされる日本人なんていうのもたまにいますから気をつけてください。ごく普通に生きている一日本人であっても、海外に出れば日本人の代表です。みんなあなたの行動、言動を見て、「日本人は、、、」と語るわけです。ですから、私も日本人の株を上げることができるよう、日々品のある(?)生き方をしなきゃなんて思ったり思わなかったり。

ということで、最後は桃園メトロとは何の関係もない話になってしまいましたが、そんなこんなで、桃園メトロの今後を引き続き生暖か〜く見守っていきたいなと思っています。

 

(*2016年7月8日追記)
続報が入りましたので、以下の記事で紹介させていただきました。

 

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