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学歴フィルター
就職活動、いわゆる就活のシーズン到来と共に、今年も「学歴フィルター」の存在が話題になっています。
ある帝京大学の学生が某企業の説明会に申し込もうとしたところ、「満席」の表示。そこでプロフィールを変更し、早稲田大学の学生として空き状況をチェックしてみたところまだ空きがあることがわかったのだとか。こういった所属大学によるフィルタリングは一般的に「学歴フィルター」と呼ばれています。
よく学歴フィルターの有無が話題になるわけですが、存在していること自体は確かです。もちろん企業側は風評被害を恐れ、表立って「フィルタリングしています」とは言わないわけですが、こっそりやっている企業は決して少なくないと言われています。あとは、上述のように「フィルターの有無が容易に確認可能」なケースばかりではなくて、「説明会には誰でも参加可能だけれど、選考の過程でフィルタリング」している会社もたくさんあると考えるのが自然です。もちろん後者の方がスマートですが、規模が大きくない会社の場合は前者を選択することにより、求人に割く人材リソースを節約できるという大きなメリットがあります。
ということで、当記事では既に明らかになっているわけですから、学歴フィルターの「有無」に関しては議論しません。ただ、これの存在を認めることの問題点を指摘しているメディアが見当たらなかったので、その辺りに触れつつ、学生の立場に立った「打開策」について考えてみたいと思います。
学歴フィルターの問題点
各種メディアは学歴フィルター問題に関して、よく「差別」という言葉を使いたがりますが、もう少し掘り下げて考えるべきでしょう。学歴フィルターの存在がどう問題になるのかは、対象によって異なるのです。
企業への影響
所詮は民間企業ですから「選ぶ権利」はあって当然なのですが、露骨にフィルタリングしてしまうとこんな時代ですからすぐにその噂は広まり、イメージダウンにつながります。
大学への影響
学歴フィルターの存在がしっかりと認知されてしまうと、予備校等が公表している「偏差値ランキング」同様にリストが作られてしまい、「この大学からこれらの企業には入れない」といったようなことが公になってしまいます。これは大学運営上、かなり都合の悪い情報ですし、教授陣や職員からしたら純粋に気分が悪いわけです。
大学生への影響
上述の内容と絡んだ話になるわけですが、学歴フィルターの存在が明確になれば、学生によっては、大学入学と同時に「どれだけ努力しても絶対に入れない会社」というのができてしまうわけです。これは勉学に対するモチベーション低下につながる恐れがあり、好ましいことではないと考えるのが一般的でしょう。
今後の展望
以上のように、立場によって学歴フィルター問題の捉え方、その影響は異なるわけですが、それでは改善の余地というのは存在するのでしょうか?
個人的には、そもそも改善策など存在しない問題であり、今後も現在のような状況が長く続くだろうと予想しています。
所詮は営利目的の民間企業ですし、どんな人材を雇うかには全社員及びその家族の生活が懸かっているわけで、どういった基準で採用しようがそんなのは企業側の自由です。学歴で弾きたければ弾けばいいし、所属大学に拘らず、「金の卵」の発掘に尽力するのも一つの戦略でしょう。
大学側は、弾かれるのが嫌なら良い教育を施して大学の知名度を高め、偏差値を高く保ち、企業から信頼されるよう努力すべきでしょう。
学生側は、、、次の節で詳述しますが、最も簡単なのはもちろん、「少しでも良い大学に入る」ことです。そういった努力をせずに文句を言ったところで、誰も聞く耳を持ってはくれません。
とまあ、本来なら以上が結論で議論終了なのですが、いい時代になりました。いわゆるFラン大学の学生の皆さん、あなた方は現代に生まれてラッキーです。現代人の生き方は多様化を続けていますし、昔と違い、お金を稼ぐ方法も増えました。学歴フィルターなどというつまらないものに固執していないで、ぜひ広い視野を持っていただきないなと思います。以下、どんな選択肢があるのか見てみましょう。
弾かれた場合の打開策
もしかしたら、学歴フィルターに弾かれて絶望している学生さんというのは案外多いのかもしれません。ただ、21歳や22歳で絶望するのはあまりにも早過ぎます。
私なりに無い知恵を絞って考えてみましたので、思いつく「選択肢」を順番に挙げてみたいと思います。
大学に入り直す
学歴フィルターに弾かれるのが嫌なら、弾かれない大学に入り直すという選択肢があります。もちろん入試を受ける必要がありますし、時間とお金のロスでもあります。ただ、私の知り合いにもこういう人はいますし、それなりに現実的な選択肢だと思います。
大学院に進学する
大学院は中華圏では「研究所」と呼ばれていることからもわかるように研究をするところです。ですから、個人的にあまりこれは勧めたくないのですが、学歴を塗り替えるため、いわゆる「学歴ロンダリング」をするために進学する人はたくさんいます。例えば、東京大学の大学院には、学生が足りなくて困っている専攻があります。時間とお金のロスにはなりますが、費用対効果は非常に高いです。ただ、繰り返しますが、個人的には勧めたくありません。
入れる会社で頑張る
大きい会社、有名な会社で働くことが必ずしも幸せとは限りません。私の周囲には、一流大学を出て一流企業に入り、すぐに辞めてしまった人が何人もいます。「こんな場所だとは思っていなかった」、「現実があまりにもイメージと違っていた」なんていう声をよく聞きます。なので、あまり細かいことに拘らず、「入れる会社で頑張る」のは決して悪い選択肢ではないと思います。そもそも人生は仕事だけではありません。趣味に興じたり、恋愛を楽しんだり、家庭を持って家族とのコミュニケーションを楽しんだりと、人生には実に様々な楽しみ方があります。給料が少ないのなら、副業で稼ぐという選択肢もあります。
スキルを身につける
就職を延期して、緩くフリーターでもやりながら何らかのスキルを身につけるというのも悪くない選択肢だと思います。資格取得の努力をするのも良いでしょうし、アルバイトをしてお金を貯め、1年間くらい海外に語学留学に行くのも悪くないと思います。「英語が話せる人なんていくらでもいる」という人がいますが、私の経験上、そういうことを言う人はだいたい話せません。「英語が話せるだけで仕事にはまず困らない」と最近海外生活を終えて日本に帰った知人が言っていました。あとは、1年くらいかけてプログラミングをとことん勉強したりするのも良いかもしれません。十分なスキルのある人手が足りなくて困っている会社は少なくありません。
海外に出る
私がまさにこれです。私は日本で雇ってもらえなかったので現在海の向こう側で働いていますが、学歴について聞いてくる人なんて皆無です。冒頭の方で「早稲田大学」が出てきましたが、そんな大学、海外では誰も知りません。外国人が知っているのは「東京大学」と「京都大学」くらいです。なので、学歴がショボい人には特にオススメな選択肢です。先進国なら基本的にはどんな会社に入っても日本の会社とは違って能力主義ですから、遣り甲斐もあると思います。
早めに結婚する
詳しい話は後日別記事にする予定ですが、日本でも今後は「ソーシャルマリッジ(社会的結婚)」が増えると私は予想しています。「そもそも結婚自体が社会的なのでは?」と疑問に思われるかもしれませんが、従来の結婚とは異なり、「日常生活における相互扶助を目的としたパートナー制度」のことです。要は、「恋愛の延長線上」にある結婚ではなくて、日常生活における様々なシーンで助け合う「パートナー」と籍を入れるわけです。人生においては、病気や事故等様々なリスクがあるわけですが、この相互扶助のシステムにより各種リスクを平均化することができるわけです。年収が300万円でも、共働きなら600万円。それだけあればそれなりにまともな生活は営めるはずです。経済の面で言えば、結婚って結構メリットが大きいです。私も帰国後は真面目に検討したいと考えています。
誰かに養ってもらう
要は「ひも」や「専業主婦」のことです。上に挙げた話とも関係しているわけですが、例えば、「生活は完全に支えるから20代のお嫁さんが欲しい」なんて考えている40代男性はいくらでもいますし、バリバリ働くいわゆるキャリアウーマンの中には、「お金は私が稼ぐから主夫になってくれる男性が欲しい」という人もいるという話を聞きます。若い頃にはなかった感覚だったとしても、男も女も30代後半や40代になると急に寂しくなったりするものです。ですから、男女問わず、そういった年上の「パートナー」を見つけるのも、現代では一つの選択肢になり得ると思います。卒業したばかりの女の子が一回り以上上の男性と、、、なんていうのは昔からいくらでもあるわけですが、今後は間違いなくその逆も増えると思います。男女平等な世の中になりましたから。
最後に
以上、様々な角度から考えてみたわけですが、学歴フィルターなんて、まああまり気にしない方が良いのではないでしょうか。私もいろんな会社を転々としてきましたが、どんな仕事も結構しんどいし、どんな会社にいても、嬉しいこともイライラすることもあります。もう終身雇用の時代ではないわけで、しんどければどんどん他の会社に移れば良いですしね。
ただ、そんな時代ですから、若い方々にはぜひ、どんな会社に入ろうとも努力を継続していただきたいなと思います。いい歳して何のスキルもないオジサンオバサンが日本社会には大量にいますが、私からしたら見苦しい限りです。今後、個人主義はもっともっと進みます。自己中心的な人がもっともっと増えます。そんな時代に必要なのは、受験や就活におけるたった数ヶ月間の刹那的な努力ではなく、何年も何十年も続く精進なのだということを忘れないでいただきたいなと。自分に鞭を打ち続けられる人は、ずっと成長できるし、チャンスもいくらでもやってきます。
ということで、就活生の皆さん、体調管理に十分留意し頑張ってください。
Good Luck!