元台湾在住サラリーマンの徒然なる日々

飛行機とお酒と夜景が大好きな台湾在住サラリーマン。日々の生活の中で感じた取り留めもないことを綴っています。(Twitter: @superflyer2015)※2017年夏に中国に引っ越しました。(http://chinalover.hatenablog.com/)

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(保育士の給与引き上げ無しに解決はあり得ない!)「待機児童解消に向けて緊急的に対応する施策」に含まれなかった最も大事なこと

最もがっかりしたのは、間違いなく現役の保育士さんたちなのではないでしょうか。

 

「待機児童解消に向けて緊急的に対応する施策について」


3月28日、厚生労働省が「待機児童解消に向けて緊急的に対応する施策について」とりまとめた内容を発表したわけですが、みなさんはもうご覧になりましたでしょうか?
検索すれば簡単にPDFファイルが見つかりますから、できれば全ての方に見ていただきたいと思います。

 

個人的な感想としては、「なるべくお金をかけずにできることをとりあえず書き出してみた」だけであって、到底十分なものとは思えませんでした。

 

なぜ待機児童の解消が重要なのか?


まず最初に、基本的なことをざっくりと振り返ってみたいと思います。

 

ご存知の通り、日本では晩婚化、少子化が近年急速に進みましたから、これまでの経済規模を維持し、相対的に増え続ける高齢者を支えるためにはどうにもこうにも労働力が足りないわけです。「仕事がない」と言っている人もたくさんいますが、彼らは単に選り好みしているだけで、全体で見たら間違いなく人手不足です。

ですから、政府の方針からもわかる通り、女性にもっともっと働いてもらう必要があります。伝統的には、日本には「専業主婦」という「妻」及び「母」の生き方があるわけですが、そういった方たちの助けが必要だというわけです。

 

子供のいない既婚女性は単に職探しをして働き始めればいいだけですからまあいいとして、問題は特につきっきりで面倒を見なければいけない幼い子供のいるお母さんたちです。核家族化が進んだ現在の日本では、やはり保育所を利用する必要があるわけですが、預けたくても近所の保育所に空きがないケースがたくさんあるというのが待機児童問題なわけです。

政府は「子供をたくさん作りましょう。さらにお母さんたちは産んだ後も働きましょう!」なんて言っているけれど、現実には「待機児童数が50人以上いる市区町村」の数は114もあるということで、政府主導での対策が必要不可欠であると広く考えられています。

 

保育士の給与引き上げは必要不可欠!


私が今回発表された「待機児童解消に向けて緊急的に対応する施策について」という文章を読んでびっくりしたのは、保育士の給与引き上げに関する記述が全くないということです。

 

待機児童問題は地方行政とも複雑に絡み合った本当に難しい問題であり、細かく見ていくといろんな要素があります。
例えば、待機児童がたくさんいる市区町村としてよく例に挙がる世田谷区では、新規に保育園を作るために必要な認可を得るのが非常に難しいという問題があります。見方を変えればこれはある種のビジネスチャンスでもあるわけですが、世田谷区からしたら、得体の知れない業者に入ってもらいたくはないし、需要があるのはもちろん住宅地なわけですが、最近の日本では「子供の声がうるさい」と文句をつけるような住民も多いそうです。

 

他には、「子供を預けたい保育園が決まっていて、そこに入れないのなら働くのはあきらめる」という「隠れ待機児童」も全国でなんと5万人近くいるそうで、本当にこの問題は複雑です。子供がいる方にしかわからないのかもしれませんが、親の立場からしたら、預かってもらえるのならどこでもいいってわけではありませんからね。保育園の質に関する噂なんていうのは、地域ごとにけっこうしっかりと共有されているのが現実です。

 

しかしながら、やはり最もクリティカルなのはやはり、「保育所の数が足りない」ということであるのは間違いありません。
そして実際のところ、保育士の数が足りないが故、預かる子供の数を定員よりも少なくせざるを得ない保育所も多いようですから、「保育士不足」が解決されるべき主要な問題ということになるのです。

 

ではなぜ保育士になる人が少ないのか、なぜ保育士の離職率が高いのか、という話になるわけですが、細かい理由はいろいろあれど、間違いなくクリティカルなのは「待遇が悪過ぎる」、要は給与水準が極端に低いからということになるでしょう。
ゼロ歳児や1歳児なんていうのは、自分のことはまだほとんど自身ではできないわけですが、そんな幼い子供を預かるような責任ある仕事にも関わらず、保育士さんたちの給料はかなり低いようで、いくつかのサイトで紹介されている数字によると、平均年収は35歳くらいで317万円程度だそうです。でも、実際の求人情報を調べてみると、月給16万円や17万円なんていうものがゴロゴロ出てきますから、年収300万円以下の人もかなり多いのではないかと思われます。そもそも35歳で300万円程度だなんて、夢がないどころか老後に不安が出てくるレベルなのではないでしょうか。

 

ちなみに、保育園を出た子供たちは小学校に進学するわけですが、知り合いに聞いてみたところ、35歳くらいの公立小学校の教員の年収は600万円くらいだそうです。保育士さんの2倍ももらっているわけですね。しかも公務員ですから給料の出所は税金です。

 

こうやって書いているだけでどんどん腹が立ってくるのですが、公務員の給料を2割程度カットして、保育士さんたちの給料をせめて35歳時点で400万円程度にはなるように引き上げることって、そんなに難しいんですかね?
年収600万円なら、2割カットしても480万円です。35歳で500万円弱あれば十分でしょう。公務員の場合はガチガチの年功序列で、その後もどんどん給料は上がっていくわけですし。

 

とにもかくにも、税金の使い方がおかしいのだと思います。
あんな程度の内容で「緊急施策」だなんて、保育士や待機児童を抱えて日々悩んでいる若い親たちを馬鹿にしているとしか思えません。
こういった施策を考えている連中は公務員なわけですが、自分の給料減らしてでもやってやろうという気概がある人はいないんですかね。年収1,000万円を超えている公務員は山のようにいるけれど(私の身内にもいます)、終身雇用が約束された公務員という立場でそんなにもらう必要はないでしょう。たくさん金が欲しければ、多少リスクをとってでも民間企業に就職するというのが理にかなっている気がするのです。安定も金も福利厚生も、しかもそれを国民の血税でなんて、どう考えても納得できません。最近の子供たちの「なりたい職業」として人気なのが公務員だそうで、「夢がない」なんて言っている大人がたくさんいるようですが、夢なんてありまくりです。言ってみれば完璧な職業だと思います。

 

最後に


最後にちょっとだけ私の「本音」を書かせていただこうと思います。
個人的には、子供の面倒は親が見ればいいと思っています。別に母親が必ずしも見なくても、父親か母親のどちらかが働いて、片方が家のことをやればいいんじゃないかなと。
子供がいない人にはわからないと思いますが、あんなに劇的な誕生を経て家族に加わった子供を他人に「預ける」くらいなら、作らなくていいんじゃないかって思うんですよ。
だから、本気で「国で子供を育てよう」とするのであれば、お金もガンガンつぎ込んで、若者たちを納得させる必要があるんじゃないかなと。そうしなかったら、日本の少子化は今後もどんどん進むのではないでしょうか。

 

台湾の出生率は「1」です。
毎日台湾の人たちを見ていると思うんですよ。間違いなく日本の未来だなと。